ネズミの王国

丸の内線銀座駅のホームに立っているとよくネズミを見かける。
レールの側をサーッと走り抜けて排水溝の中に飛び込んでいく。
いわゆるドブネズミ。丸々と太ってかなり大きい。
頻繁に見かける。注意力のある人ならば気付いていると思う。


排水溝を通じて地上に出る、
下水道か何らかの地下水路を中心としたネズミたちのネットワークが
都心のあちこちに張り巡らされていることについて思いを巡らす。
海外の有名ブランドのショップが乱立する銀座だろうと
日本のビジネスの中心地である丸の内・大手町だろうと
一皮向けばネズミの巣窟だったりするわけだ。
地下世界を我が物顔で走り回っている。

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青森県東津軽郡今別町という津軽半島の先端に近い小さな田舎の村に
母親の実家があって、小学生・中学生の時は
夏休みや冬休みになるとよく泊まりに行った。
ある夜眠っていると壁の向こうでコリコリコリと
小さなもので引っかくような音がする。
「・・・なんだろう?」と怖くて眠れなくなった。
次の日の朝母親に聞くとネズミだと言う。壁をひっかいていた。


親戚の家にはそれまで漫画や本の中でしか見たことがないようなネズミ捕りがあった。
今思うと古びたものではなくまだ新しかったから、
どこかのメーカーが普通に生産していたものなのではないか。
20年も前のことだから今ではどうなのかわからない。


夏だったか冬だったか、ある日そのネズミ捕りにネズミが引っかかったという。
「へー」と思う。
子供が見るものではないと止められたのか、
それとも他に注意を引くものが何かあったのか、
僕は罠にかかったネズミを見ることはなかった。
餌に引っ掛ける針のようなものが仕掛けられているはずなので
子供には残酷な状態になっていたのではないかと思う。
10も年上の従兄弟がそのネズミ捕りを家の裏の広い敷地のどこかに処分しに出かけた。
何をどんなふうにしたのかは僕は聞いていない。


今でも親戚の家でネズミ捕りが仕掛けられているかどうかはわからない。
文明に駆逐され、野生のネズミが日本の山奥の小さな村でいつのまにかいなくなっている。
そんな状況になっていてもおかしくはない。
(そしてその分都会へ都会へと進出する)

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ドブネズミたちの頭に超小型カメラを括り付けて映像を撮ってみたら
かなり面白いものが見れるのではないかと思う。
「え!?こんなふうになってんの?」という驚きの連続。

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今日の表題はディズニーランドとは何の関係もない。