僕の音楽遍歴 その13(そして今)

僕の音楽遍歴ってことで長々と書いてきて
それで学生時代のことを書いて終わりにしたつもりなんだけど、
じゃあ今はどんな感じなのか、というのをせっかくだから書いておきたい。

    • -

土曜の夜、HMVのサイトで注文したのがたくさん届いた。
それを片っ端から聞いた。
最近気になっているバンドばかり。


Bevis Frond はようやく音を聞くことができた。
これは素晴らしいバンドなのではないだろうか?
なぜか聞いてて Going Steady を思い出した。なぜだろう?
不器用だけど何かを信じてギターをかき鳴らす音、という姿勢が共通しているのだと思う。
集めないとやばいな。日本での入手は難しいんだけど。
こういうバンド、これまで名前すら知らなかったことは残念だ。
ガイドブックに取り上げられること普通ないからな。
聞いたのは「Valedictory Songs」(2000年発表)
これは名盤と言っていいだろう。


Negativland 「Live On Tour」
これもすごかった。ライブってことになってるけど、いつの時代のどこのなのだろう?
このバンドもまた情報がほとんどなくて、どういう編成でライブをやってるのかとても気になる。
普段のアルバムではいろんな音をサンプリングしまくって組み立ててるんだけど
ライブの時にはどれぐらい楽器が入っているのだろう?
全部出来上がった音を流してるだけのかな。ボーカルだけ上に乗せるっていうような。
ところどころ観客の笑い声が入ってるんだけど、
これもサンプリングだったりしたら、というのが怖い。
映像もないし英語がわかるわけでもないから何で笑ってるのかよくわからないんだけど、
たぶんアメリカの政策をっつうかアメリカそのものを皮肉ってせせら笑ってるんだろうな。
このバンドもまた今後本腰を入れて集めなくてはならない。


Jazz Btucher は80年代のベストと、86年に出した4枚目「Distressed Gentlefolk」が届く。
このバンドは既に集め始めている。ついこの間は87年の5枚目「A Scandal in Bohemia」を
amazon で中古で見つけて買った。どちらもよかった。
80年代前半の初期のが気になるんだけど入手できるだろうか?


A Certain Ratio はここ何年か再発が続々と行われていて、
今回見つけて買ったのは82年の4枚目「I'd Like To See You Again」と
2枚のライブアルバム、「Live America 1985」
「Live in groningen(holland) 26.10.1980」
いやー、このバンドやっぱいいわ。最高。
このクールを通り越して虚無感すら漂うダークなファンクネス。
でも売れんよな。。。
「Live America 1985」のブックレットの最後には当時のフライヤーの写真が載っていて、
ニューヨークで行われたものなのか、スペシャルゲストのところにマドンナの名前が。
なお、その後 Swing Out Sister を結成して大ヒットを飛ばした
アンディ・コーネルが一時期この A Certain Ratio に在籍していたようであるが、
「I'd Like To See You Again」のブックレットを見てみたら確かに名前があった。
さらになお、3枚目までは Soul Jazz Records から再発されていたのに、
4枚目はなぜか LTM から。
最近気の利いた再発を買うことの多いレーベルはこの2つ。
何気なく見つけて HMV でオーダーした後に、「あ、LTMだったんだ」と気付くことが多い。
今回買った Field Mice も Kalima もそう。
Tuxedomoon のレアトラック集も出してたな。
今要注目のレーベルだ。というか個人的に超重要。
Soul Jazz Records に対してもそう言える。相変わらず。


その Soul Jazz Records からは Mark Stewart の初めてのベストアルバム「Kiss The Future」が出た。
給料が出てから、みたいなことを言ってたら入手できなくなるかもしれないので、
早々と HMV のサイトで買っておくことにした。
解説で大鷹俊一も書いているけど、The Pop Group 絡みは権利関係が複雑なようで、
なかなか再発されない。幻の 1st が再発されたときは事件だったもんな。
全然入手できないから仕方なく僕は海賊盤で持っていた。
(この海賊盤ではここでしか聞けないシングルのB面「3'38」や
「Our Children Shall Rise Up Against Us」が入っているので、いまだに手放すことができない)


そんなこんなで。
マイケル・ウインターボトム監督の「24 Hour Paty People」でも絶妙なそっくりさんバンドの出てきた
A Certain Ratio と、Mark Stewart は別として、
Bevis Frond, Negativland, Jazz Butcher はほとんど知られていない。
僕も最近になってその存在を知って、
インターネットで取り寄せたり中古屋を回って見つけて、聞くようになった。
こういう「知られざる存在」ってのを掘り起こして集めることが何よりも楽しい。
ロックに一通り詳しくなって「何でも知ってる」と言えるようになった今、
探求の矛先はこっち方面に向かうことになった。広さではなく、深さ。
例えば最近の新譜では System of a DownNine Inch nails それに Weezer があって
もちろん買ったわけなんだけど、聞いてみても「良質なアルバムだ」とは思っても
そこから先心を動かされない。
一応毎月たくさんそういう新譜を買うんだけど、何のため?というのがよくわからなくなってきた。
欲しいと言えばそりゃもちろん欲しい。聞きたい。
でも、そう、でも・・・。
要するに聞けば聞くほど物足りなくなってきて、
「これまで聞いたことのない音」の探求はどんどん暗くて狭い場所へと入り込んでいく。
地下通路を手探りで進んでいくような。
まだまだ、続いていくんだろうな。僕とロックミュージックとの関わりは。


Bevis Frond のようなバンドをどこで知るのかと言ったら、
Music Magazine, Record Collectors 系のライターの書くガイドブックから。
最近は断然そう。この人たちはさすがに詳しい。
Rockin'on は今でも好きだし、毎月欠かさず読んでるんだけど、
読んでてもある一定以上詳しくなることはできない。残念ながら。


最後に、その他最近集めているもののいくつかを挙げておきます。


・新譜で集めているもの(次のボーナスでコンプリート予定)
 Fennesz / Mice Parade / Kip Hanrahan / John Zorn の「Masada」シリーズ /
 Miles Davis (ようやく全部そろう) / Simple Minds / Frank Zappa
 あと、Neil Young や Doors のリマスタリング再発も買わなくては・・・。
 Brian EnoCocteau Twins も。Canも再発されるみたいだしなあ。


・中古の国内盤を集めているもの(しかも帯つきでないと買わない)
 Matthew Sweet / Luna / The Velvet Crush / Squeeze / Devo


・国内盤じゃなくてもいいので中古で集めているもの
 Donna Regina / Camper Van Beethoven / Tim Buckley / Gallon Drunk などなど。




ああ、終わらない。