ロス(9/7)その27 ビバリーヒルズ/ハリウッド

10号線を東に向かう。これから向かう先はビバリーヒルズやハリウッド。
この10号線はアリゾナまで延びている。


20世紀フォックスのオフィスビルとスタジオの前を通り過ぎる。
ここフォックスのスタジオは他の映画会社と違って中を一般公開していない。


ビバリーヒルズ。
大通りの両側に建っていたオフィスビルも背の低い瀟洒な店へと変わっていく。
ウィルシャー通りからロデオドライブへと入っていく。
僕は興味ないので「ふーん」ってぐらいだったが、
世界中に名の知れたブランドの店がこれでもかこれでもかと並ぶ。
ティファニー、ブルガリ、ヴィトン。
毎日毎日たくさんの日本人が訪れてたくさん買い物をしているのだろうな。


高級住宅街に入っていく。メキシコ風の家があったり、ヨーロッパ風の家があったり。
ここもまたカスタムメイドなのだが、家だけでなく街路樹もまた通りによって様々。
珍しいところでは木の葉っぱで作られた家ってのがある。
公園のような場所で映画の撮影をしているのを見かける。
ロスでは毎日あちこちで撮影が行われているのだそうだ。


ビバリーセンター」というショッピングモール。
中には世界の超一流レストランが集まっている。


日本ではJALがたびたび事故を起こしていて、という話から、
(機体がANAよりも10年遅れてるが、経営層がそこに金をかけることを嫌うらしい)
JALがロスに所有しているホテルを次々に売却しているという話になる。
あるホテルではニューオータニに売却され、それがさらにホリデイ・インに売却され、
どんどん質が下がっていると。


交差点で信号が変わるのを待っていると、
派手に鳴らされたクラクションの後にドン!と衝突音。
2台の車が正面衝突。
2台とも右折しようとしていたのだろうけど、交差点の真ん中のありえない位置に止まっている。
どちらも車の運転が苦手そうな若い女性が運転していた。
1人はヘッドホンをしながら友人とおしゃべりしていて、
もう1人はブロンドの髪の長い美人だがわがままそう。
「私は運転が上手ではないのだから、あなたたち皆が私の前で道をどけてしかるべきだ」
そんな2人が運悪く鉢合わせしたというか。
美人の方が派手に手を振りながら「あんたが悪いのよ!」みたいなことを叫んでいる。
ロスでは1日に3件は交通事故が発生しているのだという。


ハリウッドまでの途中にあるミッドウィルシャーの「ファーマーズ・マーケット」で車を降りる。
30年代の大恐慌のさなかに地元の農民たちが野菜や果物を持ち寄って売り始めたのが最初。
市場というか屋台の集まりが今も残されている。
またしても日本人ツアーの団体と出会う。どこもかしこも日本人ばかり。
ニューススタンド、果物屋、ファーストフード、・・・挙げていくとキリがない。
10分しか時間がなかったので中をさっと通り抜けただけ。


ハリウッドに入る。
メルローズアヴェニュー。若者向けの店ばかり。ストリート系とでもいうやつ?
ビバリーヒルズから比べるとかなりひしゃげた感じ。


「99セントストア」ってのがある。
日本の百円ショップを真似たもの。
売られているものにはベルギー産のワインなんてものもある。
アメリカで売られていた安いものはみな、Made in China だったが、
今ではそうでもなくなり、いろんな国の製品が売られているという。
日本人観光客が訪れることも多く、こういう店でお土産を買っていく。


ハリウッドの目抜き通りへ。下車。
ニューヨークのライブハウス、ニッティング・ファクトリーがロスにも店を出していた。
有名なウォーク・オブ・フェイムを歩く。
星型の中に有名人の名前と映画(カメラ)や音楽(マイク)のマーク。
チャイニーズシアターのすぐ近くにマイケル・ジャクソンのがあった。
チャイニーズシアターはその名の通り、中国風映画館。
きらびやかで豪華絢爛。
まさに古きよき時代のハリウッド映画に出てくるエキゾチックな中国風な宮殿のよう。
敷石には映画スターたちの手形と足型が残されていて、
大勢の観光客が自分の手を合わせてみている。
ガイドのおじさんの案内を頼りに、リチャード・ギアマイケル・ダグラス
エリザベス・テーラーボブ・ホープヘンリー・フォンダジーン・ケリー
ジョン・ウェイン、ウォーレン・ビューティー、・・・。
見てるだけでため息が出る。
僕はこの中で最もかっこいいのはこいつだと
ジャック・ニコルソンの手形に自分の手を合わせてみる。
もちろん、ジャック・ニコルソンの方が大きい手のひらをしている。
後で調べてみたら、アル・パチーノクリント・イーストウッド
スティーヴン・スピルバーグマリリン・モンローの手形・足型もあったことを知る。
ああ、残念だ。見たかった。
ガイドのおじさんも「これがシュワルツネッガーのです」なんて、そんなのどうでもいいから!
どの敷石も刻まれたサインは「シドヘ」と始まっていて、シドって誰だ?と思っていたら
チャイニーズシアターの初代の経営者のことだった。
そういえば敷石には C3PO のもあるようで、これも見たかった。


その隣のハリウッド&ハイランドと呼ばれる
劇場やブランドの店、レストランなどが入った大きな建物の中に入る。DUTY FREE の店もあった。
コダック・シアターが中にある。21世紀に入ってからアカデミー賞の授賞式が行われるようになった。
歴代の受賞作品とその受賞年がパネルにライトアップされている。
エレベーターで上の階に上がっていって、見晴台のような場所に出る。
ここから、あの丘の上の「HOLLYWOOD」の文字が見えた。
「おーこれがそうか、ようやく見れた」と喜ぶ。
ここからはかなりの距離があって、大きいような小さいような。
もっと近くから見てみたいものだ。


Sheryl Crow の「Soak up the Sun」が大音量で流れる。
ハリウッド&ハイランドの外に出るとホットドッグやコーラを売る店が何軒かあった。
「ここにはJTBのオフィスがありましたが、家賃を3ヶ月滞納して追い出されました」


車に戻る前に、通りの端にあったお土産屋に入る。
車から降りる際に映画の絵葉書がラックにたくさん並んでいるように見えたので入ったのだが、
絵葉書ではなく、写真だった。ハリウッドのスターたちのスナップ写真や映画の場面を抜き出したもの。
どれもこれもなんかいまひとつで結局1枚も買わなかった。
Tシャツやその他いろんなものが売られているが、どれも安っぽく感じられた。
猫の鳴き声がするのでどこにいるのだろうと思っていたら、
レジのところにいた店員が口でモノマネしていた。


ハリウッドを車で去る際に、「Hollywood Heritage Musem」というのを見かける。
素朴な一軒の小屋というか納屋?
後で「地球の歩き方」を見てみたら載っていて、
ハリウッドの最も古い映画スタジオで元々は馬小屋と書かれていた。
映画監督として有名なセシル・B・デミルが1913年に
これまた有名なプロデューサー、サミュエル・ゴールドウィンらと建てたもの。
後の時代にも西部劇のセットとして利用された。


「映画の都ハリウッドは思ってたよりも大きかったですか?小さかったですか?」と聞かれ、
「大きかったですね」と僕は答える。これは期待された答えと違っていたようだ。
僕は遠くに見える丘の「HOLLYWOOD」の文字から
チャイニーズシアターまでの広い一帯全てのことを指すのだと思っていたのだが、
映画の都そのものとしてはぐっと小さいものとなる。


ガソリンスタンドでこういう看板を見かける。
「STATE OF CALIFORNIA OFFICIAL SMOG CHECK STATION TEST ONLY」
ロスもスモッグに見舞われるということか。でも「TEST ONLY」ってなんなんだろう。
他のステーションでは他に何をしてくれるのだろう?
メキシコもまた、あの排気ガスの量からスモッグが大変な場所とされるが、
僕には何ともなかった。スモッグが発生していない、いいタイミングで訪れたのか。