「ウィッカーマン」

このところ土日は DVD を買ってカルト映画ばかり立て続けに見ている。
チープだけど摩訶不思議な雰囲気の漂う、アレックス・コックスのデビュー作「レポマン」
イギリス産B級ハードロック・バンドのアメリカ凸凹珍道中「スパイナル・タップ
そして「ウィッカーマン


どれもそれぞれ面白かったけど、今日ここで取り上げたいのは「ウィッカーマン
これこそカルト映画の王道だと思う。


「レポマン」と「スパイナル・タップ」は
その名も「カルト・コレクション」ってシリーズもので
最近 DVD で廉価再発されてあちこちで見かける。
その一方で「ウィッカーマン」はネットでなんか別の映画について調べている途中で
たまたま知って興味を持って、即 amazon で取り寄せてみた。


1973年、イギリス映画。
失踪した少女を探すためにスコットランドの小さな島へと本土から警官が派遣される。
警官は歓迎されず、人々は少女のことを知らないと言い張る。
捜査は進まず、代わりに現れるのは島を支配するエロティックな古代宗教の儀式の数々。
上陸して3日目。その日は島を挙げての祭りが行われることになっていて・・・
※詳細はこちら。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=2262


ドラキュラ映画で有名なクリストファー・リーがこの島の領主として出演。
「探偵<スルース> 」や「フレンジー」のアンソニー・シェイファーが脚本。
珍しいところでは、リンゼイ・ケンプもチョイ役で出演。
自身のバレエ・カンパニーを率いて今も活動中(のはず)。
ケイト・ブッシュや、古くはデヴィッド・ボウイを指導。


ブリット・エクランドというセクシー系の女優も主人公を惑わす役どころで出ている。
74年の「黄金銃を持つ男」のボンド・ガール。
ピーター・セラーズと結婚してたことがあり、
DVD の特典映像のドキュメンタリーを見ていたら
当時ロッド・スチュワートと噂されていた、という発言があった。


僕が入手した DVD は2枚組なんだけど
長さの違うバージョンが3種類も入っている。
劇場公開バージョン、全長版(ディレクターズ・カット)、短縮版。
カルト映画の再発見されていく過程って、ブレードランナーに始まり、
いくつものバージョンが存在しててそれを探す過程とイコールになることが多い。
「幻のフィルムはどこに?」ってな感じで。


話は一応前半はサスペンスっぽいんだけど、
後半ともなるとこの古代宗教の、
豊作を祈願して生贄を捧げる五月祭のシーンが果てしなく続く。
これが誰かの頭の中にあったグロテスクでシュールな夢想をそのまま現実化したようで、
「よくこんなの予算がついて、撮れたよなあ」と感心させられる。
(実際にはかなりの低予算で、クリストファー・リーも監督のロビン・ハーディもノーギャラ)
人々は奇妙なお面をかぶって歌い踊り、
クライマックスでは木の枝で作られたとてつもなく大きな人形が登場する。
僕は巨神兵を思い出した。


※DVD のジャケットにも映っている。
 http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000I2IZA2/ref=pd_sxp_f_r/503-5011822-6180713?ie=UTF8
 僕はこの巨大人形を目にした時点でいてもたってもいられなくなり、購入を決意。


ここに描かれているのはケルト神話的世界なのだろうか?
僕はこの辺のこと詳しく知らないのだけど。
ストーンヘンジみたいなのは随所に登場する。


90年代イギリスにて「The Mock Turtles」というバンドが活動していて、
そのアルバムの中にこのウィッカーマンの中の曲がカバーされていた。
「The Willow Song」だったかな。
「Wicker Man」という曲もあった。映画に少なからぬ影響を受けてるんだろうな。