ツアーでペルー その33(4月26日)

レストランの中


ホテルに戻ることはなく、プーノの港へ。
プーノは位置づけとしてはリゾートに近いものがあるので、
港にはボートやクルーザーがたくさん並んでいた。
観光用のだけじゃなくて個人所有のもあったのだと思う。
桟橋を歩く。桟橋の先頭は船を待つ人々なのか、人々が集まっていた。
日差しが強く、眩しい。


バスに乗ってプーノの町の中へ。
グラウンドが見えたのか、Dさんがサッカーの話をする。
「ペルーでは女性の間でもサッカーが人気です。スカートを履いてプレイします」


人でごった返す繁華街でバスを降りる。
昼ということもあって狭い通りを大勢の人が歩いている。
旅行者の姿は少ない。
世界遺産となったリマやクスコのどこか落ち着いた街並みとは違って、
人々がリアルに生活している雰囲気があって、活気がある。
所狭しと店が並ぶ。雑貨屋。携帯電話の店。食堂。
BCP」銀行の支店。インターネット屋。薬屋。
DirecTV」の看板をよく見かける。道端でも清涼飲料水など、売っている。


レストランの中へ。
白い壁がへにょっと傾いていて、無数の古いアイロンが飾られているという変わった店。
壁にはミシンや蓄音機まであった。宗教画も並んでいる。
キヌアのスープ、アルパカのステーキ。
アルパカはちょっと固かったものの、あっさりとした味だった。
ここでもまたビールを飲む。2ドル。


食後はバスで、昨日昼食を取った隣の町フリアカの空港へ。
飛行機に乗って出発地点リマに戻る。
(プーノには空港がないんですね)


「international」とは名づけられているが、とても小さな空港。
国内線だけじゃないのかな。ゲートは2つのみ。
搭乗までの間、時間があって土産物屋を見て回る。
僕はアンデスの女性をかたどった人形を買う。
背中に子供を背負って、胸元にも1人抱えている。10ソーレス。
昨日フリアカのホテルで買ったリャマの人形とセットで飾ろうと。
つうか、こういうの見てるとついつい情にほだされる。


搭乗ゲートなんてものはなく、
普通に空港の外に出て、地面を歩いて飛行機に乗る。
機体は横6人掛け。リマ−クスコ間と同じ。
フリアカ−アルキパ−リマというフライト。所要時間2時間だったか。
そのうちアルキパまでは30分もかからなかったのではないか。
フリアカで若干あった空席もアルキパで埋まる。
飲み物のサービスがあって、コーラを飲む。
機内食はあったようなないような。あったとしたらチキンバーガーだったような。
(この日、全然メモを取っていない)


この飛行機は前から乗り降りできるだけじゃなく、後ろからも乗り降りできた。
僕は後ろの方の座席だったので、後ろから降りてみた。
リマの空港でもまた、地面を歩いて到着口へ。


Baggage Claim にてポーターがスーツケースをピックアップして運ぶ。
この待ちの間、ツアーで一緒の初老の男性から
魚の腐ったような匂いがしないか、と言われる。
クンクンと匂いをかいでみると確かに、そう。
ヒューストンから来たときには全然気がつかなかったのに。
みな口々にこの匂いのことを語りだす。
リマって海が近くて、ペルーが漁業の盛んな国だから、こういう匂いとなるのか。


ここからガイドは日系人と思われるAさん。
バスに乗って5時間近くひたすら走ってナスカの近くのイカまで。


斜め後ろの席に座っていた熟年夫婦の旦那に
僕が持っていたミネラルウォーターのペットボトルを指摘される。
見るとベコベコになっている。
これまで高地にいて気圧の関係でパンパンに膨らんでいたのが
今度は逆にしぼんだのだ。
改めて自分たちが、これまですごいところにいたのだということを思い知らされる。


バスの長旅。夕食としておにぎり弁当を配られる。
途中でレストランに寄ることはない。
サケのほぐした身の入ったおにぎりが2つと輪切りの太巻きが2つ。
コロッケ、煮物(しいたけ・にんじん・ゴボウなど)、玉子焼き、
かき揚げ付きのうどん。


窓の向こうにリマの市街。
「CHIFA」と書かれた看板の店が多い。チャイナ、中華料理のこと。
3・4軒挟んでまた中華、ってぐらいに驚くほどたくさんの店があった。
しかも街並みに溶け込んでいる。
ペルーでも人気なのか、というか
地球の裏側もものともしない中国人のこのパワー。恐れ入る。


太平洋岸を走る。初日に「恋人たちの公園」を訪れたミラフローレス地区。
何かを記念しているのか、「CHORRILLOSA」と大きく書かれた、
細長くてモダンな広場が印象に残った。
大理石の噴水。夢を誓いあう男女の像。
真っ白なトンネルのような歩道橋が架けられている。


ひたすらP・K・ディックの「スキャナー・ダークリー」を読む。
疲れて眠る人ばかりなのかバスの中は照明が落とされて真っ暗になる。僕は読書灯をつける。
読み終える寸前まで来て、眠くなってやめる。
起こされて、イカに到着している。


ホテルの中へ。1階建ての平べったいホテル。
ロの字型。中庭あり。その周りが回廊となっている。
ロビーはないが、集会所みたいな部屋があった。前方に舞台。何に使うのだろう?
若い夫婦の旦那と話すと、「学芸会じゃないの?」


明日、最終日の予定が発表される。
イカの最高気温は27℃。暑くなりそうだ。
ナスカの遊覧飛行はセスナがそのときにならないと
6・8・12、何人乗りになるのかわからないとのこと。
また、搭乗までに酔い止めが配られる。
(セスナの飛行は不安定で、すぐにも酔って、
 地上絵を見てるどころじゃないという噂が僕らの間で流れる)
モーニングコールは5時45分、6時半より朝食、7時40分出発。
8時にはイカの空港へ。
ホテルは13時まで利用可であるが、
フライトの都合上戻ってこれるかどうかわからないため、
スーツケースを部屋の中に置いておく。外には出さない。
戻ってこれないようならばガイドのAさんがバスでスーツケースを取りに行く。


外は真っ暗、ホテルの周りもシンと静まり返っている。
ホテルの外に出て別棟に入るとリゾートっぽいプールがあった。
デッキチェアが周りを取り囲んでいる。
ホテルの従業員が鍵をかけて閉めるところだった。
オアシスへと下りていく。
大きな池があって、Uの字型に取り囲むようにして他のホテルが建っている。
Uの開いている部分は砂漠。かなりの高さの砂山が聳え立つ。
全てが眠りについている。
リゾートならば夜更けまで賑やかにしていてもおかしくはないのに。
僕らが到着した時刻が遅くて、既に終わってしまっているのか。


22時頃だったか。
疲れ切って、眠くなって、ピスコをぐいっと飲んでさっさと寝る。


どうでもいいことだが、
ペルーで泊まったホテルのどこもドライヤーが備え付けで置いてあったが、
Aクラスのリマ・シェラトンやプーノのイスラ・エステベスだろうと、
Cクラスのクスコのサヴォイだろうと
どれも「First Class」というブランドだった。
ペルーで幅を利かせててアメニティのドライヤーとしては独占状態?