書き終わった

4月のペルー旅行の最大の成果は、マチュピチュが見れたとか
仕事が殺人的に忙しかった後でリフレッシュできたとかそういうことじゃなくて、
「書こう」という意思を強く持てたことにある、と1ヵ月半近く経過した今、強く思う。
32歳にして小説家という夢をいまだ持ち続けてて、それでいいのだろうか?
そろそろ諦めることを考えたっていいんじゃないか?
ツアーの前はそんなことばかり考えていた。
トラブル対応に明け暮れてぐったりした気持ちのまま帰る地下鉄やタクシーの中で。
そんで、まあ、旅の間に今後の身の振り方をゆっくり考えようと。
このままSEとして働いて、CDをたくさん買いつつ映画見たりしながら
年に一度の長期の休みで海外に出る。
そんな一生でもいいじゃないか。
そう思いかけていた。


遠い異国の地で、日常生活からすっかり身を解き放して
思ったことはやはり「書きたい」ということだった。
ここまで続けてきたのだから、もう少しがんばってみようと。
諦めて投げ出すのは1日でできるから、あと1年か2年、辛くても続けてみようと。
つうかそれ以前に、ただ単に欲望として、「書きたい」
これは僕の場合、一生このままなのだと思う。


帰ってきてからは旅日記をガーッと書きまくって、
それが一段落するとそれを旅行記っぽく改作してみたりした。
昔書いた作品のリライトも始めた。トレーニングだと思って。
土日だけじゃなく、朝早く起きて出社の前に。あるいは、会社休んで。
2・3週間やってたけど「これじゃいけないだろう」とモヤモヤしたものが高まってくる。
旅行記もリライトも、新作を書いてることにはならない。
出来上がったところで、それが勝負に出る作品かというと違う。
もっとガツンと行かなきゃ、時間がもったいないじゃないか!


気分が盛りあがってる時ってのは不思議な力が出るもので、
これまで逆さに振っても出てこなかった新作のアイデアがひょいと出てくる。
それが5月の20日過ぎか。
いつも通り、始まりと終わりだけ思いつくと、後はなんとかなるさと書き始めた。
PJが暇なのをいいことに、何の臆面もなく「明日休むんで」と言いのけて
次の日は朝からガリガリ書き続けた。仕事のことなんて頭の中に全くない。
もちろん土日も予定を入れず、入れてても早起きしてそれまでに書き上げる。
これまで、2日とおかずに書いたことになる。集中していた。一気に書いた。


それが今日、書きあがったわけですよ。第一稿完成。
日曜だというのに7時に起きて。先ほど、11時に。
こんな嬉しいことはない。
やればできるんだなあと自分で自分に感心した。


どこに応募してもいいように枚数は100枚と決めていた。
オーバーしたけど、だいたいそれぐらいになった。
100枚なのでストーリーは単純。
いかにストレートに書き通すかが問題。
ごちゃごちゃと余計なものは持ち込まない。
複雑なことにトライしない。


あちこちかなり無駄が多くて、削ぎ落とさなくてはならない箇所がたくさんある。
ここから先は完成稿に向けてひたすら手直し。大幅に書きかえると思う。
まだまだ気は抜けないが、とにかく峠は越えた。


この1ヵ月、とても充実していた。
そう言い切れる。


外は大雨、雷が鳴っている。
でもこれから、ライブに出かける。