刑罰

暇なときにこんなことを考えていた。
※気持ち悪い話になってくるので、苦手な人は続きを読まないように。


題して、「こういう刑罰があったらつらいな」
縦1m×横1m×奥行き2mの空間というか穴に押し込まれて、身動きが取れなくなる。
もちろん、永遠に出られない。
(食事は、えーと、口元まで伸びたチューブで流動物をチューチュー吸うってことで。
 排泄物は・・・)


罰が重くなればなるほど、穴が小さくなる。寝返りすらままならない。


起き上がることができない。
「行動の自由を奪われる」どころの話じゃない。
奪うにしても抽象的なレベルではなく、物理的なレベルでそれはなされる。


この現実的な圧迫感。
閉所恐怖症じゃなかったとしても、すぐ、閉所恐怖症になってしまうと思う。
というか、3日で発狂する。
その後、衰弱死。


このバリエーションとして、縦穴にするというのもある。
縦0.5m×横0.5m×高さ3mの穴に突っ込まれて外に出られない。
しゃがんだり、座ったりできない。
永遠に。
この肉体的苦痛を思うと、気が遠くなる。


インドだったかチベットだったかの行者で
もう何十年と地面に立ちっぱなしの人がいるというのを読んだことがあるが
(たぶん、ロバート・リプリーの「信じようと信じまいと」だと思う)
こんなの普通の人にできるわけがない。


この刑罰を受ける人たちの入る「独房」が集まった巨大な空間、
その中に響き渡るうめき声。
疲弊しきって、泣き喚いて、気狂いたちが異言を唱える。
死をもって刑罰は完了し、独房の中が入れ替えられる。


人口の過密化が極端に進んだ未来の全体主義的社会において
1人の人間に与えられる居住空間は縦2m×横2m×高さ2mに制限される。
そういうブロックというかコンテナが
地上100階、地下30階に至るまでびっしりと隙間なく詰め込まれている。
その周りに果てしなく巡らされた通路という通路。
そこを大勢の未来人たちが無言で行き交う。
言動は常に監視されている。
多くの人間は太陽も空も見ることなく、一生を終える。


そういう社会というか時代の刑務所。
恐らく「人道」がヒステリックかつグロテスクに、
極端なまでに声高に主張されているだろうから、死刑そのものは廃止されている。
しかし、罪を犯した人を一般人から隔離する施設は必要になってくる。
そこでは「収容」以外の機能を持たない。持ちようがない。


それでも人間たちは虫けらのように繁殖を繰り返し・・・