地球空洞説

昨日の話に続いて。
失踪した人たちがどこに連れ去られるかというと。
 
地球空洞説というのがあって、
北極点や南極点に近いところに大きな穴がぽっかりと開いていて
迷い込んだ飛行機が入り込むとそこには楽園が広がっているという。
地表の人類をしのぐ高度な文明を発達させていて、
UFO も宇宙空間からではなく、この地球内部の空洞から現れるのだと。
 
いろいろなバリエーションがあって
中心部から地表までいくつかの層が積み重なる中に
中空の層が広がっているというものもあれば
マントルは存在せず、空っぽの空間の真ん中に小型の太陽が輝いていて
その熱が地表に伝わっているのだ、
その太陽を取り囲むようにして球形を反転させた大地が広がっている、
その「反世界」に住む人たちは楽園のような暮らしを送っているという。
(この手の世界は皆楽園ということになっている。
 ここではないどこかに対する願望の現れ)
 
楽園とは限らず真逆の、劣悪な環境にあって地上の人類を制圧する日を夢見ている
という説もあったような。いや、どこかで読んだSF小説だったか。
 
大々的空洞ではなく、地表近くの洞穴や地下道に住む人々という話も時々出てくる。
人類とは異なる進化を遂げた人たち、
あるいは迫害を受けて地下に逃げ込んだ一族の成れの果て。
常時暗闇の中にいるので視力は衰退し、他の感覚が優れているという。
底に楽園が広がっているという話は聞いたことがない。
虐げられた人たち、ということになっている。
 
戦前戦後の少年向け冒険読み物的なSFの舞台というか。
空中、水中、地中と順列組み合わせ的に生み出すことができる。
どれも圧倒的に強い敵の大群がいて
一部の味方がいて主人公を助けてくれるという。
 
地底に広がる広大な空間に裏日本が形成されていて、
時折地表から人々が誘拐されるという話を考える。
主人公はそこに迷い込むが、この下にはさらに全然別の世界が広がっていて
彼ら裏日本人も噂でしか聞いたことがないし、強力な禁忌があって冒険はためらわれる。
しかしさらに広大な世界が控えていることが予感される。
果たしてどこまで行けるのか、何が待っているのか。