「ダークナイト」

土曜は先週に引き続き、映画をハシゴ。
ダークナイト」と、「赤い風船」「白い馬」の2本立てと。
ともに銀座。
先週までの時間で予定を立てていたら、
土曜になって「ダークナイト」が上映時間がらっと変わってて。
11時前に着いたらちょうど始まったばかりだった。
13時の次の回を見ることにする。
その間2時間暇になって HMV に CD を買いに行ったり
有楽町駅前の三省堂で本を眺めたりした。
三省堂では会社の先輩にばったり会った。


昼は東銀座を開拓してみようとブラブラ歩いているうちに
「伍郎蔵」というカレー屋を見つけて入る。
鉄鍋に入ったカレーハンバーグを食べる。
欧風のマイルドな味で自己主張はないけど、まとまりがいい。
割とうまかった。悪くない。けど、絶賛するほどでもない。
さっぱりとしたおしゃれな雰囲気で女性客を狙っているのだろう。
カレーうどんの「千吉」の系列だということを知る。

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ダークナイト」はバットマン・シリーズの最新作。
クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール主演のコンビによる2作目。
僕が見るのはティム・バートンの「バットマン」以来なんだけど、やっぱ全然違うね。
音楽もダニー・エルフマンじゃないし。


前評判通り、これは面白かった。
今年の娯楽映画でこれを越えるものは出てこないんじゃないか?
完成度はとても高い。
若干もっさりしていてテンポが遅いようにも感じられたんだけど、
紙一重でそれが重厚感につながっていた。


見るべきはやはり、ジョーカー役のヒース・レジャー
睡眠薬の過剰摂取で昨年、惜しくも亡くなった。
ブロークバック・マウンテン」も良かったけど、あれとはまるっきり違う。
役者として進化していた、というのもあるんだろうけど、
それ以前に、なんつうか死を前にした最後のきらめきとでも呼ぶべきか。
このままだといつか自分は死んでしまうだろう、という予感を常に抱えていたのではないか。
そこから逃れたい、何かにすがりつきたいという気持ちと、
その裏腹に、死に魅せられてこちら側に引き寄せたいという思いと。
2つに引き裂かれそうになっていたからこそ、あの素晴らしい演技が生まれたのだと僕は思う。
「優れた役者が優れた演技をする」という以上のものがあった。


他の役者も良かった。
ジム・ゴードン警部役のゲイリー・オールドマン
(「シド・アンド・ナンシー」が遠い昔のよう)
第2の敵役を演じたアーロン・エッカート
(「サンキュー・スモーキング」の好演が記憶に新しい)
この2人だけじゃなく、マイケル・ケインモーガン・フリーマン。豪華だよなあ。
バットマン役のクリスチャン・ベールが実は一番パッとしなかった。
そこがこの映画の最大の難点かな。悪くはないんだけど、存在感で負けてた。


もしかしたらこれ、来年のアカデミー作品賞・監督賞の候補になるんじゃないか。
で、ヒース・レジャーが故人としては初めての助演男優賞を獲得。
あるいは、ゲイリー・オールドマンアーロン・エッカートが獲得して、
ヒース・レジャーに捧げる」とスピーチで感動を誘う。
なんかそういう気がする。

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話変わって、北野武の最新作「アキレスと亀」の予告を見て、
「これはすごい映画なんじゃないか?」と思った。
大傑作な予感。


あと、前にも書いたけど「落下の王国」が気になるなあ。