猿島(前編)

okmrtyhk2008-09-08


PJの外部設計フェーズ終了の打ち上げというか「反省会」という名目で
平日1日休んでどっか遊びに行こうということになる。
あれこれ候補に挙がって、横須賀の先の「猿島」という無人島に行って
バーベキューをしようということに決まる。
それが金曜。


朝9時過ぎに京急の品川駅に集まって、三崎口行きの特急に乗る。
最後尾の車両で待ち合わせってことになっていてホームの端で待っていたら
特急がホームの真ん中まで行ってしまう。
後ろ4両は川崎行きが連結される。
僕らは慌ててホームを走っていく。
行き先の違う車両が連結されるのって東北新幹線
東京では八戸行きと秋田行きとが連結されていて、盛岡で切り離されるのを思い出す。
東京の私鉄でもこういうのがあるのか。初めてだ。
川崎で乗客が皆降りて車掌だけになる。でも、川崎で切り離さない。
回送電車になって空の車両を引っ張っていく?
だとしたら乗客を乗せた方が良くない?
そんな話をしていたら次の横浜新町で切り離された。


京急に乗ってここまで来たのは初めて。
金沢文庫を出た辺りから、田舎な風景が広がる。
萱葺き屋根の家が駅からすぐ見えたところもあったなあ。
あれは今も人が住む民家だったのだろうか。
お年寄りのグループが集まって取り囲んでいたから、文化財的に保護されているのか。
緑が多くなる。普通の住宅が立ち並ぶ向こうにマンションみたいなのがポツリポツリと建っている。
団地ってわけでもないだろうから、セカンドハウス用なのだろうか?


横須賀中央で降りる。初めて来た。
米軍の基地があるんだよね?
でもそういうアメリカっぽい雰囲気は特に感じられなかった。
スカジャンとかアロハとか、気合の入ったものが売ってそうなのに。そういう店も見当たらない。
スカジャンのスカって横須賀のスカじゃないの?
ごく普通の地方都市。さびれかけの。モアーズなんかはあったけど。
僕らが歩いた場所がそうだったのか?
今調べてみたら、その手の店が集まってるのは「どぶ板商店街」と呼ばれていることを知る。
そして僕らが降りた横須賀中央からは外れていて、JRの横須賀の方が近いみたいだった。
京急だと汐入。
今度また機会があったら来てみたい。


西友で食材と炭を仕入れて、
(味付けカルビ、ネギ塩とんとろ、棒が刺さったフランクフルト、殻付のホタテ・・・)
猿島までのフェリーが出る三笠公園へ。
朝のうちくもっていたのに、公園に着く頃には快晴。日差しがジリジリと強くなる。


公園の真ん中には東郷平八郎の像、そして港には戦艦三笠。
日露戦争当時のものなのでもちろん現役の軍艦ではなく、今は記念館となっている。
出航まで時間があったので入ってみる。入場料が500円。
日露戦争当時のいろんな資料が展示されている。
軍楽隊の楽器に始まり、荒海を行く三笠を描いた絵画、東郷平八郎の毛髪・・・
将校たちの風呂、トイレ、洗面台。明治天皇の遺影。
当時もそうだったのか絨毯やカーテンが深紅。
将校が集まるような普通の部屋に砲台が据えつけられている。


甲板に出て、見張り台を上る。港の風景が360度眺めることができて気持ちいい。
海のある穏やかな風景。町は緑に包まれている。
遠くにはこれから向かう猿島も見える。


甲板に据え付けられた砲台は向きを変えることができた。
ちょっとやそっとの腕の力では動かなくて、
下半身に体重をかけて、腰から先上半身をひねるようにしてようやく動いた。


出航の時間となって、フェリー乗り場に戻る。


(続く)