サマソニ09 その13(8/8:Linkin Park)

サマソニ2日もいよいよ大詰め。
夜も演奏が続くとは言え、マリンスタジアムではオオトリの Linkin Park が出場。
誰がどう見ても、ここが今日のメインイベント。
メッセを出る。その前に生ビールを買って飲む。
Tom Tom Club の余韻も覚めやらぬ中、冷たいビールが心地よい。
空はすっかり暗くなって、涼しい風が吹いている。歩きながら、飲む。
スタジアムからは B'z のテクニカルなギターソロが聞こえてきた。
最後の曲だろうか。


スタジアムに着いてみたら、
Lブロックはアリーナ前方も後方も入場規制がかかっているとのこと。
列を作って並ぶ。折り畳まれたホースのように何重にもなって、いったい何百人待ってんだ?千を超えてる?
うーん、こりゃ確実に入るにはアリーナではなくスタジアムの方がいいだろうか?
悩む。いや、ここまで来たんだから入れることに賭けてみよう。
スタジアムからは B'z を見て外に出る観客たちが果てしなく吐き出され続ける。


一通りその波も収まって、中に入る。
アリーナ前方はもう無理そう。後方に潜り込む。果たして全員入れたのだろうか?
見渡してみるとスタジアムはほぼ全席埋まっている。ものすごい光景。4万人ぐらい入るんだったか?
赤や青や緑に光るおもちゃの腕輪があちこちで瞬いている。
これが今、Linkin Park の登場を待っているのか・・・
昨日の Dragon Ash でも半分以下の埋まり具合だったのになあ。
一昨年の Black Eyed Peas も割と余裕でアリーナに入れた。
そう考えると、Linkin Park の人気ってすさまじい。
もしかして今、日本で最も人気があるのか?
アリーナ前方で見るなら、その前の B'z
いや、さらにその前の Hoobastank からスタンバってなきゃいけなかったのかも。


10分遅れで登場。場内割れるような歓声。
「Minutes To Midnight」からの(実質的な)1曲目「Given Up」から始まる。いきなりサビの大合唱。
圧倒される。なんかもうこのサイズで演奏するのが、聞いてもらうのが当たり前という、
Linkin Park のスケールの大きさ。
目の前にいるというだけで、感無量な気持ちになる。


僕は最初、Linkin Park というバンドのことを
「どうせ新世代のスタジアムロックでしょ?」
「どうせまた安易にヒップホップとヘヴィ・ロックでしょ」とバカにしていた。
それが Jay-Z とのコラボレーションで「お?」と思い始め、
「Minutes To Midnight」で完全にやられた。
よくできてるよ、これ。今でもよく聞く。
何よりも曲がいい。全曲耳に残る。なかなかそんなアルバムはない。
時々、「全曲シングルカットできる曲のよさ!」「まるでベストアルバムのような内容!」と
謳ってるのをたまに見かけるけど、
聞いてみてもやはりシングルと言えそうなのは1曲か2曲ってことが多くて。
全曲シングルカットできるのって、このアルバムぐらいだよ。
90年代以後で他に思いつくの Oasis の2枚目しかない。
「Minutes To Midnight」の何がいいかって、30分か40分ぐらいであっさり終わってしまって、
後に爽やかな余韻を残すのがいい。いつ聞いてもパリパリと新鮮なレタスのようなロック。


僕の方から言いたいことは特にない。
僕が最も好きな曲「Shadow of the Day」をやってくれたのは嬉しい。
「Minutes To Midnight」の曲は全部やったんじゃないかな。
あとは、「Meteora」からいくつか。もちろん「Numb」とかね。
Mike Shinoda は途中からキーボードを弾いた。1人でラップも披露した。
時々カンペを見ながら MC をたどたどしい日本語で。
「アリガトウゴザイマス。ニホンニモドッテコレテウレシイデス」


いったん本編が終わって、アンコールかと思いきや。
ドラムが運ばれてきて、すげー、Mike Shinoda はドラムも叩くのかよ。
ツインドラムでバトルか?としょうもない勘違いをしていたら始まったのが、
Dead By Sunrise というこの前アルバムが発売された Chester Bennington のソロとなるグループ。
3曲を披露。正直、いらなかったな・・・
Linkin Park よりもハードロック寄りな音なんだけど、ポップさが全然足りない。
その辺のバンドよりは全然水準が高い。だけどごくごく普通のスタジアムロック
Linkin Park のあの6人の奏でるロックの桁外れ感を思い知った。


アンコールでまた3曲。
最後はもちろん、スタジアム上空に花火が打ちあがった。
1時間20分ぐらいやったのかな。
フルサイズのツアーには及ばないけど、ヒット曲しかやらないというコンパクトさが逆に良かった。
曲順は違うけど、この前出たライヴアルバム
「Road To Revolution: Live At Milton Keynes」に雰囲気は良く似ている。


大勢人が集まっただけにスタジアムから出るのに一苦労。
21時半過ぎ。こりゃ、メッセに着く頃には中田ヤスタカも始まってるな、
というかスタジアムからどっと流れてこっちも入場規制かもな、もういいやと思う。
そのまま海浜幕張の駅まで行って帰ってくる。


いつも思うことだけど、
京葉線から下りて東京駅の構内を歩いている間は
サマソニのリストバンドをしてる人たちがあちこちにいて、
これが中央線に乗ったら激減して。寂しい気持ちになる。
今回は丸の内線に乗って、皆無。祭りの後の儚さでいっぱいになる。


帰ってきて、青と茶色の2日分のリストバンドを鋏で切り落とす。
Talking Heads が無性に聞きたくなって、「Naked」をセットした。