U2が1987年の名盤『The Joshua Tree』を再現するツアーで日本に来るという。
ちょくちょく来てると思っていたけど、13年ぶりの来日公演なのだとか。
Yes がこの前『Close to the Edge』を、
Def Leppard が『Hysteria』の再現をやってた。
調べてみたら日本のバンドも、The Pillows や Acidman の名前が出てきた。
単なる再結成ブームは終わり、ここ数年最大の流行りがここなんだな。
確かに見る機会があったら見たいが…
後ろ向きでもある。
ロックって完全に二分して、
おじさん向けのいわゆる産業ロックと
若者向けの何にも属さないロックとなるんだなと。
そしてもちろん前者がビジネスになって、僕みたいなのがお金を落として、
後者は未知数でほとんどの場合お金にならない。
70年代、80年代のビッグネームも60代・70代に差し掛かって、
実はあと10年もすればこの前者の流れも断たれてしまうのか。
それとも90年代や00年代のバンドが再結成して、名盤再現ツアーをやるのか。
ずっとこういうことを繰り返すぐらいなら
ロックは一度完全に死んでもいいのかもしれない。
U2よオマエもか、と疑った瞬間その思いを強くした。
ダウンロードからストリーミングの時代になって、
CDというメディアは時代遅れとなって、
こういう回顧的なコンサートが一番収益を生むのだろう。
おじさんの心をくすぐって、財布を緩めさせる。
新曲は皆無か、あっても1・2曲。
アルバムだけだと1時間前後だから、残りは往年のヒット曲で埋める。
懐かしい、ありがとう、という気持ちになる。
それはそうと、Pink Floyd なんかは
A面全部を費やした大作「Atom Heart Mother」や「Echoes」を演奏するところから始まって、
『Dark Side of the Moon』などコンセプチュアルなアルバムの全曲演奏は
組曲として昔から普通にやってた。
曲を寄せ集めたものをアルバムとするのではなく、
1つのストーリーを描くものとしてのアルバム。
70年代・80年代のかつての名盤が1枚丸ごと演奏されるというのは
曲そのものは当時寄せ集めだとしても
そのアルバムが時代の中に位置づけられ、
その存在そのものがロック史におけるひとつのサブストーリーとなったからではないか。
そんなふうに思う。