ベルリン その4(2/5:アレクサンダー広場)







ここから先は、時々地図を見ながらの方がベターです。
日本語のベルリンの地図として、例えば「JALMAP」
地図17 セントラルベルリン を選択してください。
http://di.jal.co.jp/jalmap/?cityCode=FRA
あるいは、google map でベルリン。

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7時半に目が覚める。久しぶりに夢を見ることがなかった。
外はまだ暗い。東京よりも緯度が高いことを思い出す。
テレビをつける。BBCやCNN、MTVを見つける。
ベッドサイドにチップを1ドル置いておく。
着替えて6階へ。朝食を食べに行く。
僕の他には20代後半ぐらいの日本人女性の2人組だけ。
ベーコン、スクランブルエッグ、クロワッサン、ヨーグルト、フルーツ。
ごく普通のモーニング・ビュッフェ。
係りの女性に部屋の番号を聞かれて、鍵を見せる。
ボケーッと食べて部屋に戻る。


ドアノブに引っ掛けられた「Do Not Disturb」の札に
Blue Man Group とミュージカル「We Will Rock You」のベルリン公演の宣伝が。
Blue Man Group 来てるのか。
その後地下鉄の駅や街中でことあるごとにあの3人組を見かけることになる。


ダウンジャケットを着て、Zoologischer Gartenの駅へ。
地下鉄(Uバーン)ではなく、市電(Sバーン)に乗る。
エスカレーターを上ってホームへ。
以前はここ、Zoologischer Gartenの駅は長距離路線の発着駅であったが、
近年は Hauptbahnhof駅(ベルリン中央駅)がその役割を引き継いだという。
そう考えるとこの駅は上野のようだ。


元は東ベルリン一の目抜き通りだったアレクサンダー広場に行って
ベルリン大聖堂とテレビ塔を訪れてみようと思う。
ホームのどっち側が Alexanderplatz 駅方面だろうか?
とキョロキョロしてどっちか分かったころ、
駅員のおじいさんに「Can I Help You ?」と声を掛けられる。


列車が到着して乗り込む。初めてのSバーン。
空いている。4人掛けの座席に一人で座る。
Zoologischer Garten から Alexanderplatz まで間に5つ。
この東西を横断する路線は途中で
Hauptbahnhof や Friedrichstr. といったベルリン中心部の駅を通る。
一駅の間隔は山手線の半分ぐらいか。
真冬ということもあってか、地味な格好をした人たちばかりが乗り降りする。
奇抜なファッションの人というのは
滞在した3日間の間に全く見かけなかったように思う。


Alexanderplatz で下りる。
駅の建物を出て、すぐ目の前に真っ白なテレビ塔が建っている。
上海のテレビ塔によく似ている。全世界共通のモデルなのだろうか?
細長ーい円錐の先端部分よりちょい下に展望台となる球が団子のように。
入ろうかと思ったら10時からで、今は9時を過ぎたばかりだった。
先に大聖堂へと向かう。歩いて5分ほどのところにある。
マリーエン教会の脇を通る。
橋を渡って、広場とも空き地とも判別不能な緑色の地面が広がる。無駄にだだっ広い。
こういうところに旧社会主義国らしさを感じる。
その横に「L'Oreal」の巨大な広告。
ガイドブックの地図を見たら、「共和国宮殿跡」とあった。


博物館島の一角にあるのだが、ここには他に
新旧の博物館やボーデ博物館、ペルガモン博物館、旧ナショナル・ギャラリー。
世界遺産にも登録されている。
時間がなくてどれも入ることができなかった。
あと1日あれば、終日かけて全部回ったと思う。
ヨーロッパの歴史や古代ギリシアの芸術といったところか。


大聖堂の中へ。5ユーロ。ベルリンで最も大きい教会となる。
見上げるとどれほどの高さになるだろうか。あまりにも高い。
壮麗なステンドグラスのはめ込まれたドーム。
キリストの磔刑など3つの絵を掲げた祭壇。
壁や天井いっぱいに広がるモザイク画。
燭台や列柱の1つ1つが麗しき彫刻で飾られている。
それぞれのパーツが中世からの粋を極めた芸術であって、
それが大聖堂という荘厳にして人智の限界にまで広がった大いなる芸術へと集約する。


階段を上って、最上階の小さな博物館へ。
大聖堂の歴史のようだ。模型やかつて聖堂の中に配置された彫像や飾りの数々。
死の床に横たわるカイザー・ウィルヘルム1世の絵。
階段には旧東ドイツ時代のだと思うけど、修復作業中の写真が多く掛けられていた。


地下にはフロアいっぱいに古びた大きな棺がいくつも並べられていた。
いくつか年代を見てみると17世紀だった。
一番奥のこじんまりとした部屋には小さな棺がポツンと。
悲嘆にくれる両親を描いた絵が掛けられている。
名前から察するに娘のようだ。


大聖堂を出て、引き返す。
土産物屋を見つけて入ってみる。
ベルリンの壁のかけら、その最小サイズがプラスチックの袋に入って3.5ユーロ。1つ買う。
絵葉書が0.5ユーロだったので6枚。
終戦後の占領下の写真をコラージュしたものやベルリンの壁のグラフィティなど。
ベルリンの壁のは2枚買って、1枚は母に送ろうと思う。


テレビ塔へ。ガイドブックを見たら並ぶとあったけど行ってみたら確かにそうで、
入場券(11ユーロ)に印刷された番号のブロック順に入場となる。
30分ぐらい待つことになった。
僕みたいな日本人やアラビア系の人々、イタリアやフランス、各国から集まって、
ドイツの若者たちもデートコースとして利用し、家族連れの姿も見える。


順番が来てエレベーターへ。展望台は200mぐらいの高さにあっただろうか。
このテレビ塔は東ドイルの威信をかけて1969年に建てられた。西側じゃないんですね。
その後3日間、ベルリンの中心部からは必ずここ、テレビ塔が見えた。
一周する。眼下にベルリンの街並みが広がる。思いがけなく大きい。
白い壁に赤い屋根の共同住宅がその大半を占める。
街を流れる川と、あちこちに教会と。
さっき訪れたばかりの大聖堂も小さく見えた。
3周か4周して下りてくる。
子供たちが有料の望遠鏡をせがむ姿は万国共通か。


Alexanderplatz駅に戻る。引き続きSバーンに乗って、東へ2つ。
Ostbahnhof駅(東駅)へ。
いよいよ、今回の旅行の目的であるベルリンの壁を見ることになる。