夏、京都 その2

ビジネスホテルに泊まっているので眠りが浅くなる。
何度か目が覚める。エアコンをつけていて寒いことに気付き、消す。
8時に起きる。テレビをつけると世界陸上女子マラソン
9時のスタートまでを見る。それまでは5人のランナーを紹介する。
ただ1人子育てしている赤羽選手が気になる。


この日は縁あって「京都D-school」の公開講座に参加。
主催の方が僕の教室の学衆(生徒)だったということで。
http://stc3.net/kyoto-dschool/index.html
会場が京都リサーチパークというところにあって、
最寄り駅の丹波口駅はJR嵯峨野線で二条と京都駅の間。
地下鉄は通ってなくて、泊まっていた四条からは
歩くと南に一駅、西に二駅程度なので歩いていくことにする。
朝、9時台だというのに日差しが出るととても暑い。
これが京都の暑さか。
東京は空から降り注ぐ日差の照りつけるような暑さ、
京都はさらにそれを受けて地面から湧き上がるような暑さだと思った。


会場入り。午前中は京セラの社長・会長を勤めた西口泰夫先生の講義。
今は同志社大学で技術経営の研究をされている。


・技術と事業・経営が乖離することによって
 日本はアメリカやアジアに遅れを取ることになった。


・日本はリーダーシップに向いていない。
 共鳴による全体最適を求めるべき。


・後継者を育てるのではなく、組織を育てるべき。


・日本はフラットな関わり合いで話し合いによって解決して来た。
 そこには限界がある。アメリカのように、
 あるいはシャープやパナソニックの取り組みのように
 「仕組み」に目を向けるべきだ。


などなど。
前半は京セラ時代、社内ベンチャーのように次々と新事業を起こした話。
経営のトップになる方はさすが言葉一つ一つの重みが違う。


午後は1つ講義を飛ばして、もう1人教室の方と長めのランチ。
周りはこれと言って何もないところで京都駅へ。
移動の間、昨日訪れたという嵐山の川下りのことを聞く。乗ってみたい。
京都駅11階の京風のレストラン街にて串揚げの店に入る。
時間が少し開いて、京都タワーの展望台に上る。
四方八方山に囲まれて確かにこれは盆地なのだなと知る。
知恩院の方に巨大な仏像を、銀閣寺の方に巨大な鳥居を見る。
山の一つには先日の大文字焼きの名残で「大」の字が。
足元の本願寺は修復中なのか
まっ白い近代的な囲いですっぽり包まれていた。


ローカル線に乗って丹波口に引き返す。雨が降り出す。
午後はPAOS創業者の中西元男先生。
前半は伊奈製陶からINAXへという流れを例に挙げて
コーポレート・アイデンティティ戦略とは何かについてガイダンス。
ロゴとはその企業の思想の凝縮である。
特許は有限だが、ブランドは無限である。
designerからdesignistへ。デザイン志向へ。などなど。
後半も各社の事例を。先日読んだ著作がほぼそのままかな。
こはちょっと残念。
モノそのものではなく、伝えるに足る価値を創るということ。
それがモノとなって現れる。
ウォルター・グロピウス「デザインはあらゆる分野の共通公分母である」
エットーレ・ソットサス「デザインとは人に花を贈るようなものである」
まとめ。これからは川上、川中、川下産業ではなく、
川戸(かわのと)産業ではないか。
作り手、送り手、受け手、楽しみ手を混ぜる。
C to C / C to B へ。


懇親会にも出席。
こういうの苦手な僕はポツンと壁の花になってるんじゃないかと
最初は不安だったけど、意外といろんな人と話すことができた。
公開講座という共通のテーマがあるからか。
驚いたことに他の教室の学衆さん2人と一緒になり。
1人は元々主催の方に近いところで働いていたということなんだけど、
もう1人は全くの偶然。テーブルで学校のことを話していたら
「あ、僕もです」みたいな感じで。
こういうこともあるんですね。


2軒目にも行って、遅くまで飲む。
帰りも歩き。ホテルについてからの記憶がなく、
シャワーも浴びず、アロハシャツを着たまま寝ていた。