初詣というもの

正月を振り返ってみるとそういえば
初日の出を見るとか初詣に行くとかってなかったなあと思い出す。
今年に限らず、これまでの人生のほとんどの正月で。
初日の出って小さい頃に一度、母に起こされて家の外で見ただけ。
初詣は家族で行った記憶が無い。近くの小さな神社であろうと。


青森市には善知鳥神社という有名なところがあって、
というか他にないということもあって、元日ともなると大混雑。
2年前に訪れたときには境内に入ってからお参りするまで30分待ちだったか。
このときと、30歳のときに年末年始返上で仕事していたときの2回しか
物心ついて以後初詣に行った記憶が無い。
幼稚園の頃はこのすぐ近くの本町に住んでいたから
もしかしたら家族総出で行ったかもしれない。
今は亡き父に連れられて。


ま、正月だからといってあまりかしこまらない家だったんですね。
普通どうなんだろう? 皆初詣って行くのだろうか。
Facebookを見てると何人か行ったことを書いていた。
取り立てて書かないけど行ってる人というのも多いのかもしれない。


…と書いてて思い出した。
なんで初詣に行かないかといえば、年末年始はいつも母の実家で過ごしていたからだ。
津軽半島の先の寒村。2時間に1本のローカル線が動いているだけの。
そして本当に小さかった頃は祖父か誰かに連れられて、
山の入り口にある小さな、祠のような神社へとお参りに行った。
膝まであるような長靴を履いていく。真っ白な雪がその深さまで積もっている。
木々は全て分厚く覆われ、吹きさらしのお地蔵様が雪に埋まっている。
風は身を切るような寒さ。僕はほっぺたを真っ赤にしている。


上下、スキーのヤッケみたいなモコモコしたのを着て。
帰ってくると雪の中で遊ぶ。
斜めの屋根に積もった雪をソリで滑ったり。かまくらを作ったり。
これは実家だからどうこうではなくて、自分の家でも庭や空き地で。
雪国では一般的な光景だった。
そういえば最近そんなふうにして遊んでいる子供を見かけないように思う。
温暖化で雪が降らなくなったからか。子供が外で遊ばなくなったのか。


プラスチックの安っぽいミニスキーを履いて道路を歩いているのも出会わない。
もう売ってないのかな。
少なくともこれは、危険ということになったんだろうな。