『ツリー・オブ・ライフ』『ディーヴァ』『ドラゴン・タトゥーの女』

引き続き、ゴールデンウィークに観た映画のまとめ。
4/30(水)に見た3本。


ツリー・オブ・ライフ』(DVDを借りる)
40年で6作目という寡黙なテレンス・マリック監督の最新作にして
昨年のカンヌ、パルムドールの作品。
賛否両論だったそうだけど、よく分かる。
視点が大きすぎて受け付けない人は全く受け付けないだろうな。
ショーン・ペン扮する主人公が心にどこか穴が空いて過去を追想する。
1950年代のアメリカ。厳しかった父と過ごした日々。内容はそれだけ。
なのにそれを地球上の生命の誕生から死後の世界まで
とてつもないスケールをまずは置きつつ、
一個人の歴史に焦点を当てていく。個人的な『2001年宇宙の旅』というか。
そしてその映像の1つ1つが詩的で途方もなく美しいんですね。
特にラストの方。こういう風景がありえるのか…
劇場で見なかったことを後悔した。


『DIVA』(DVDを借りる)
『ベティ・ブルー』で知られるジャン=ジャック・ベネックス監督の初長編作品。
1981年。主人公が住んでるガレージの壁にカラフルなアメ車が描かれているとか、
主人公を助ける謎の男がだだっ広いロフトに住んでて禅っぽい言葉を発するとか
出てくるオブジェやガジェットのセンスとその配置の仕方がとても1980年代的。
なんかもうその雰囲気だけで一生見続けたいと思わせる。
主人公はオペラマニアで、アルバムの発表を一切許さない
ディーバ(つまり、オペラ歌手)の公演をこっそりテープに録音する。
その一方で偶然、売春組織の黒幕に関するカセットテープを託される。
2つのテープを巡って対立する集団が入り乱れ、命を狙われるようになる。
フランスっぽい、スタイリッシュでシニカルでとぼけた
アクション・サスペンス・ラブストーリー?
一見デタラメな組み合わせのようでいて、なかなか絶妙なバランスを見せる。
サントラを先に入手して繰り返し聞いてたんだけど、
このディーバの歌声が素晴らしい。サントラともども、名作。


ドラゴン・タトゥーの女
このゴールデンウィークにバウスシアターにてレイトショーと知って、見に行く。
見逃した人が多いのかリピーターなのか、結構入っていた。
(なお、バウスシアターでは7月頭に「爆音」で『ゾディアック』公開とのこと)
ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督の最新作。
元々はスウェーデン発の世界的なベストセラー、
さらにその映画化『ミレニアム』シリーズがある。
フィンチャーのはそのハリウッド版リメイクとなる。
いやーやっぱ面白いね。
派手なアクションシーンじゃなくても21世紀的デジタルなサスペンス処理の話法が
グイグイと観客の意識を引っ張って飽きさせない。
(この話法はやはり『ソーシャル・ネットワーク』で完成したんじゃないかと)
ほんとね、うますぎるよ。フィンチャーは脂が乗りすぎてる。ちょっと怖い。
トレント・レズナーのサントラもよかった。「移民の歌」のカバー。
Yeah Yeah Yeahs のカレン・Oが歌ってる。
2作目はやるのかな。