『花のズボラ飯』

長らく借り物だった『花のズボラ飯』を昨晩ようやく読んだ。
1巻と2巻。昨年の「このマンガがすごい」で
女性版の1位を獲得したということでその名前は知っていた。
10月には深夜のテレビドラマにもなるみたいですね。


ズボラな主婦の花が本屋でバイトしつつ、夫が単身赴任なのをいいことに、
洗濯物を片付けずゴミは捨てず、朝昼晩の食事も超適当という日常生活を描く。
ノリノリでおっちょこちょいという花のキャラクターがいい。


正直、食べものの絵そのものはちっともうまそうに見えない。
なのに主人公が宇宙一幸福そうに顔をゆるませて食べるから、
それがやたらうまいものに思えてしまう。
「伝える」「伝わる」の基本ってそういうことなんだな、と気付かされる。


いくつか気になったズボラ飯をピックアップ。


・パンに鮭フレークとマヨネーズを塗ってトースターで焼く。
・チャーハンはたまごかけご飯にしてからつくるといい。
・風邪を引いたらネギ1本を切ったのと生姜を摩り下ろしたので味噌汁。
サッポロ一番の塩に野菜炒めドカ乗せ。
・コンビ二のおにぎりと塩昆布、梅干を入れてお湯でほぐしておにぎり茶漬け。
・明太子、豆腐、ネギ、鰹節、バターを乗せて電子レンジで温めた丼。
・ぺヤングに沖縄の島唐辛子
・鍋に白菜を敷き詰めてその間にコンソメとベーコンを入れて、水なしで煮た鍋。
・ごはんに鰹節と醤油のねこまんまにマヨネーズをかける。
・餃子にかっぱえびせんを入れる。


レシピもこれだけというか、こうとしか書きようがない。
この適当さ加減が「今すぐできそう!」「オレにもできそう!」と思わせる。


人間足るもの、外面というか表向きはしっかりしているようでいて、
一歩自分の城の中に入ると適当なものなんですよね。
それを包み隠さず、言い訳せず、逆にもったいもつけず、あっけらかんと描く。
「そうだよねー」と皆共感する。うまいとこついてるよね。


マンガが理想を描かなくなったのはいつからだろう?
なんてことを思った。