「Innocence」

誰もが風邪を引いて地面にうずくまる
鉛色の雲が低い家並みにかかっている
並んで歩く人夫たちの格好はてんでバラバラで
彼らの間でも言葉は通じない


大げさな身振りでキーキーと笑い合う
僕らにできることはただそれだけ
テレビを見てネットで発言して
今日もこの駅で急行の通過待ち


純粋無垢に憧れて
白いヘッドホンに身を包む
誰もが誰かに食わせてもらっている
そしてそのことにたいした感謝もない そんな日々