「半島」

雪原を行く夜行列車 終点へと向かう
車両にはひとりきり 窓際に座る
車がずっと並んで走っている
ヘッドライトが狭い範囲を照らしている


無人駅 スナックの明かりが見える
ピンク色のひとつあるだけ
照らされて雪が降り積もる
音もなく ホームを離れ走り出す


終着駅には海辺があるという
雪を飲み込んで寄せては返す
坂道を下りていく
踏み込む足音だけが聞こえる