未来食堂

今話題の未来食堂に行って来た。
http://miraishokudo.com/


ネットの記事を見て気になったら、神保町の職場のすぐ近くだった。
「数学科卒エンジニアが「食堂」を起業した理由」HARBOR BUSINESS OnLine
http://hbol.jp/69606
「元・エンジニアが営む“定食屋のスタートアップ”が、飲食業界の定説を覆す!?」PR Table
https://www.pr-table.com/miraishokudo/stories/24
「元クックパッドのエンジニアが起業 飲食店の常識を覆す「未来食堂」」Project Design Online
http://www.projectdesign.jp/201601/chance-in-mature-industry/002618.php


飲食系のじゃなくて、ことごとくビジネス系で取り上げられている。
東工大を出てIBMからクックパッドへ転職、その後外食チェーンなどで働いて店を出す。
システムエンジニアから料理人へ、という異色の経歴が目に留まった。


料理が好きだっただけなんじゃないの? 前職は関係ないでしょ。
と最初思ったんだけど記事を読んだら案外つながりがあって
オープンソースの概念に影響を受けたらしい。
飲食業界は閉鎖的。レシピやノウハウを隠すのはおかしい。
そんな思いから事業計画書や月次の決算報告までWEBで公開している。


運営に当たってはいろんなアイデアが投入されている。
・昼のメニューは日替わりで一種類のみ。900円。
 座ったら出てくるわけで、作るほうも食べる方も効率的。
・夜は「あつらえ」が可能。冷蔵庫の食材を公開して
 それを元に希望のメニューを一品400円で作ってくれる。
・50分手伝ったら一食無料となる「まかない」を随時募集。
・その日最初のお客さんは500円で提供する。
・壁には定期的に入れ替えて珍しい本を並べる。料理とは関係のない本。
・一度でも利用したら永久に使える100円割引券がもらえる。なにげに手書き。
などなど。風変わりだけど理にかなっている。


で、行って来たわけですが。
この日のメニューはチキン南蛮。
小鉢・小皿がそぼろ大根、蒸し鶏、卵焼きと塩昆布、キュウリとツナ?のサラダ。
ごはんはおひつから自由に。あと味噌汁。
生卵が50円、明太子が100円で追加可能。僕は明太子を頼んだ。
どれも特に自己主張はないんだけど、しっかり作ってるのがよくわかる。
奇抜さや話題性を求めず、毎日食べてもらえる料理を目指してるんだろうな。
デザートはクラッカーに乗せた茄子のジャム。
実際のところ、また食べたいと思った。


評価が分かれるのは「まかない」かな。
カウンターの中の青年は熱心にやってたけど慣れてないのか要領がよくなくて
僕はチキン南蛮のオーダーが厨房に届かず、ごはんと小鉢でしばらく待たされた。
後輩のひとりはデザートがもらえずじまいだった。
いや、それは提供する側と食べる側とで声を掛け合えば済むことでしょ?
という定食屋らしいコミュニケーションがむしろウェルカムな人もいれば
均質でなければサービスではないと考える人もいるだろう。
うーん、まあ、僕はどちらでもいいけど
例え素人に手伝ってもらっていたとしても
何も言わずともきちんと出てくるシステムをなんらか考えてみてほしいと思う。
もじもじしてしまう人もいるだろうし。


なお、壁の本は
『EXPO'70 驚愕!大阪万国博覧会のすべて』
『鳥のない鳥籠』植松大雄
『ふたりはともだち』アーノスト・ベールなど。
その合間に「まかないノート」がちょこんと置かれていた。