「パラダイス」と書かれた赤いネオン
窓のない部屋 モノクロの画面に映った無音のオーケストラ
ひび割れたハイウェイ 廊下の壊れたウォーターサーバー
寒さ ひとつきりの時間がそこにある
壁の奥に聞こえる声
何年も前にいなくなった女が、まだこっちを見てる
硬くなったソファーにもたれかかり
目を閉じて 囁く 囁いて 指輪を外す
空白を、空隙を 言葉と文字の間を
ひとつ、ふたつ みっつ数えて よっつ歌って
百年前、かつては大勢が靴を鳴らしたダンスホール
女は銃口をこちらに向ける、引き金を 引いた