「ふくしまの紙面から」

「ふくしま再生プロジェクト」の刊行する
『エディットふくしま』で「ふくしまの紙面から」というページを担当することになった。
http://refukushima.blog.fc2.com/blog-entry-41.html


福島民報」「福島民友」というふたつの地元紙の
一ヶ月分の県内ニュースから30本を選ぶというもの。
一月後半から二月前半までの記事からまず第一弾の候補の選定を昨日終えた。


来月5年目を迎えるという今、復興は進んでいるという。
高木毅復興相は現地を視察し、福島県の復興に関する予算は過去最高の1兆円越えとなる。
郡山には「とにかく明るい復興支援」ということで「福島よしもと」がオープンした。
しかし、実際はどうなのか。


全村が放射能汚染地域となった川内村では今春にも避難解除の動き。
同じく富岡町では初の「特例宿泊」へ。公設民営の複合商業施設も再開の見通し。
一方、葛尾村では既存は時期尚早、避難指示解除は慎重に判断すべきとされた。
先には進んでいる。だけど一進一退を繰り返してその歩みは早いとは言いがたい。
時間だけが解決するのだろうか、とも思う。


廃炉に関してはさらなる一進一退が続く。
福島第一原発の1〜4号機建屋周辺の地中に氷の壁を造り、
建屋内への地下水流入量を減らす「凍土遮水壁」の建設工事が9日完了。
しかし、遮水壁の効果で建屋周辺の地下水位が急激に下がった場合、
建屋内にたまった高濃度汚染水が外部に漏れ出す恐れがあるとして凍結に待ったがかかっている。
このニュースに代表されるように八方塞のままはかばかしい進捗はない。
それでも相当な量の労働力が引き続き注ぎ込まれている。
福島第一原発廃炉作業に伴うがれきや作業員の防護服などの
汚染廃棄物の総量が平成40年、約74万9000立方メートルに達するとの試算が出ている。


あるいは例えば。
県漁連は現在自粛している福島第一原発から20キロ圏内での
試験操業を開始するための検討に入ったが、
その20キロ県内の海底がれきの撤去は実施主体が定まっておらず、手付かずになっている。
そういったことの多くを福島県外の人は知らない。
避難所での生活が続く、福島第一原発廃炉作業が続く、国外を含めた福島県外との交流は続く。
という中でニュースとしての鮮度が失われ、県外で報道されることは少なくなった。
物産展が東京など大都市で開催される機会も減った。
忘れてはならないと考える人も多いが、
忘れてしまいたい、特にかかわりを持たずに済むならばそれでいいという人も
同じぐらい多いのかもしれない。


30本のニュースを選ぶに当たって150本の候補をまずは出した。
その中には棚倉町重要無形民俗文化財御田植祭」のことや
三島町の同じく重要無形民俗文化財「サイノカミ」のこともあった。
会津若松市では「ろうそく祭」も開催された。
しかしこれらを扱うにはもっと余裕が必要だなと感じた。
避難や原発に関するニュースの優先順位がまだまだ高い。


あれから5年。
多くのことが変わってしまった。
そして何も変わっていない。