「It's a Sony展」「HIKO 銀座」など

昨日の続き。
立川志らく独演会の後、数寄屋橋へ。
ソニービルが解体される前に、ということで「It's a Sony展」が開催されていた。
入場無料。入ってみる。


最初のフロアは雑誌『POPEYE』とのコラボ。
みうらじゅんがカセットテープ、ピエール瀧がパーソナルLCDモニター、
大根仁がデジタルビデオカメラの「VX2000」、コムアイがMDウォークマン
DJみそしるとMCごはんVAIO とお気に入りの SONY 製品を紹介する。
その他はやはりウォークマンやラジカセが多かったように思う。
最後は社長の平井さん。マニアックな通信機だった。


以後、1940年代から10年ずつの SONY製品と SONY という会社の歴史。
トランジスタラジオの前の炊飯器に始まって、
戦後の数寄屋橋の夜景が大きく貼られてあって。
テレビはどんどん小さくなっていって90年代にはチャンネルが消えて。
ラジオはラジカセになり、ミニコンポになり、ウォークマンが生まれ、
カセットテープの時代から MD や CD へ。
4台の大型モニターが SONY ミュージックのアーティストのビデオクリップを無作為に流す。
奥田民生Earth Wind and Fireバービーボーイズスチャダラパー etc.
AIBO もプレステもあったなあ。ワードプロセッサーもショルダータイプの電話機も。
上の階では SONY へのメッセージをカラフルな紙に書くコーナーがあって
それが壁一面を埋め尽くしていた。
さらにその上の階にはセレクトショップ的な本屋があって、
その次の階からは新しい SONY の取り組み。地球環境のことであるとか。
正直その辺りはありきたりで元気がなかったように思う。


銀座熊本館で焼酎を買って親戚に送る。
新橋に近いリクルートの「クリエイションギャラリーG8」で
「CREATION Project2016  170人のクリエイターと有田の窯元がつくる
 熊本天草陶石の磁器展 藍色カップ
http://rcc.recruit.co.jp/creationproject/project/2016/
毎年東日本大震災の復興支援として開催されてきて、今年はそれが熊本。
先月銀座「おちょぼ」で飲んでいた時にチラシをもらって、最終日が24日。
ギリギリかけ込めた。
カップはどれも2,100円で収益金は寄付される。
あ、これいいなと思ったのはどれもソールドアウト。
浅羽克己、宇野亜喜良佐野研二郎日比野克彦といった大御所が案外売れ残っていた。
僕は草谷隆文という方の描いた阿蘇五岳カップを買った。


最後、妻の昔からの友だちが家族で経営している店「HIKO 銀座」(日子)へ。
http://www.hiko.co.jp/
熊本で長く続けてきて、今年銀座に店を構えた。
何かの記事に「熊本発、日本一高級な洋品店」とあった。
イタリアやフランスからよいものだけを買い付ける、本当の意味でのセレクトショップ
ブランドのオーナーからの信頼も厚く、日本だけの、日子だけのアイテムも作ってくれる。
靴が普通に40万とか。安くても14万。今の僕では手が出ない。
数百万のものも扱っている。
しかしいいものを見つけて提供するということがその人の人生を変え、
やがては日本の文化の質を高めていくと信じて続けている。


スーツケースが100万。ただ高いのではなく、
吟味された素材を最高級の技術を持った職人が手で加工して作っていく。
国家の最重要気密を運ぶアタッシェケースで使われるような
最軽量にして信頼性の高い防弾素材だとか。
ネジも大量生産されたものを買うのではなく自社工場で自分たちでつくる。
角の部分はカーボンを滑らかに曲げていて、
そもそもそれが普通かなり難しいどころかできる人がほんの一握りという話で。
もう一回り大きいサイズの150万のスーツケースを贈り物にと複数購入した人もいて、
それは世界を転戦する同じチームのレーサー向けだったとか。


飾られていた他のバッグは差し色が七色のラインナップ。
イタリアだけあってポルシェの赤、フェラーリの黄色と
イメージカラーと全く同じものに合わせている。
持ってみると粉雪のように軽い。


最高級メンズ誌に広告を掲載し、記事でも取り上げられている。
それを読んだとある男子大学生が毎週末店に来て
ネクタイならネクタイ、ジャケットならジャケットと
その日のテーマを決めて2時間も3時間も眺めて帰るのだという。
もちろん彼に買える値段ではない。
しかし店では好きなだけ見させて、時には見方を教えている。
それがゆくゆくは市場を、日本の文化を育てるのだと。
大事なのは高いものが買えるかどうかではなく
よいものを知っているかどうかなのだ。


とても勉強になった。また来てみたいなあ。
思わず長居してしまった。
妻はその後「おさんぽ神保町」の忘年会。
本当は僕も行くはずだったけど風邪で咳が出てたのでやめておく。

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今日も荻窪の床屋の後、新宿へ、池袋へ。
どちらも人が多かったけど、特に池袋西武。
ケーキの店、チキンの店、オードブルの店の辺りは身動き取れなくなるほど。
世間はクリスマス。


昨日今日と夜は年賀状をプリントアウトする。
今から手書きで一言入れていく。