先日の落語と日本酒の会でお会いした方がウルトラマンの生みの親で、
昨年はウルトラマン50周年、一年後の今年はウルトラセブンが50周年という話になった。
そういえば昨年神保町の古本祭りで筑摩書房のワゴンで買った文庫の中に
実相寺昭雄監督の『ウルトラマンの東京』があったよなと思い出し、
今日の朝の電車から読み始める。
ウルトラマンの「故郷は地球」(ジャミラ)、
ウルトラセブンの「狙われた街」(メトロン星人)などの
後に傑作とされる回の演出を担当し、後に映画界へ。
『帝都物語』や『ウルトラQ ザ・ムーヴィー』など多数の作品を撮っている。
調べたらウルトラマンティガやダイナもいくつか演出していた。
(後に問題作として永久欠番となったウルトラセブン「遊星より愛をこめて」も)
まさにそのウルトラマンシリーズを円谷プロで撮っていた
昭和40年代前半の東京を思い出し、懐かしいあちこちを再訪して歩いてみたというもの。
円谷プロや東宝のスタジオが砧公園の辺りにあったことから
その近くの住宅地や商店街で撮影することが多く、その頃はまだ世田谷も緑が多かったと。
環八もまだ完成していなくて車の往来も少なかった。
しかしそれもウルトラセブンの辺りまで。
その後東京の街は急速に発展し、古いもの取り壊され、かつての面影を失っていったという。
以前妻の運転する車でどこかから帰ってくるときにたまたま祖師ヶ谷大蔵を通った。
寂れた小さな商店街があって、ふと見上げると街灯の高さに空を飛ぶウルトラマンが。
あれは円谷プロがあったからなんだな。
まだ100ページしか読んでないけど二子玉川、多摩川、川崎と思い出していく。
二子玉川は高島屋のショッピングセンターがつくられようとしていて、
路面電車の玉川線が入れ替わりに廃止される。
砧や岡本の住宅地でウルトラマンが撮影されたのか、怪獣が現れたのか、
かつて何度も歩いたことのあるところがそうだったのか。
知ってたら風景も違って見えたことだろう。
あの時見かけた古びたアパート。
畳の部屋にメトロン星人が座っていたのかもしれない。
- 作者: 実相寺昭雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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