神保町 JANIS に思う

昨日、yahoo ! のニュースで「hideゆかりのレコード店閉店へ 横須賀」
というのを見かけた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170730-00019591-kana-l14


X JAPAN の hide が学生時代に通っていた店として
死後ファンの間で聖地になったのであるが、
スマホが普及し始めた5年前から客足が遠のいていったのだという。
横須賀中央駅前にあって、100年の歴史があった。


新星堂も経営不振から身売り。
ブランド名は残しつつ、吸収合併される。
本社は荻窪から移転となり、荻窪にあった本社ビルも今はない。取り壊された。
「「新星堂が消えた街」かつての本拠地・荻窪で、その面影を探してみた」
http://j-town.net/tokyo/column/gotochicolumn/218537.html?p=all


昨晩、CD を売るために神保町の Disk Union へ。
ここも移転したり様々な変遷を経て、今はクラシックが大半を占める店となった。
お茶の水や新宿にクラシックの専門館があるのだから、まだまだニーズはあるのだろう。


査定の間、JANIS で時間をつぶす。
レンタルの JANIS と中古販売の JANIS2 が3月に移転してから、入るの初めてだった。
というか JANIS2 に入ろうとして、「あ、こっちはレンタルになったんだ」と思い出すという。
レンタルの品揃えはまだ健在だけど、それでも前の店舗よりも小さくなったのではないか。


中古CDの方はワンフロアから雑居ビルの一室へ。とても狭くなった。
以前の通路1つ分。1/4ぐらいになってしまったように感じた。4畳半もないか。
店員のおばさんというかおねえさんはカウンターの中に健在だったが、
この JANIS2 の数年後にはなくなってしまうのだろうと思った。
沼が干上がっていくように。
その最後のわずかな水溜りが残っているかのような。


若い人たちが新品の CD を買わないということは中古はなおさら買わない。
売ることもない。今はブックオフに投売りなのだろうか。
いや、そもそもたいした金額にはならないとゴミに捨てているのかもしれない。
中野のレコミンツが昨年閉店して、レコファンも新宿と横浜の大型店に整理された。
町の中古CD屋は風前の灯だ。amazon で買えればそれでいい。


古本屋はもっと売れない。
先日妻が神保町のとある古本屋に取材をした。
とにかく本が売れなくなった。
その本に価値があると認めて高い値段をつけようとしても
amazon よりも高い値段で売ろうとするとネットで叩かれるという。


物理的な媒体でそれまで存在していたもののうち、
電子データに置き換え可能なものはその利便性ゆえにどんどん置き換わっていく。
残るのは建物と衣服と食料、つまり衣食住だけとなるかもしれない。
交通手段と競技場と、スポーツ用具や遊具。
食器、楽器、武器・兵器。あとはそれぐらい。


僕が長生きしたら、大量に「CD」という過去の音楽メディアを保有している
国内最後の人物なんかになるのかもしれない。