「田酒と落語の会」

昨日はお誘いいただいて歌舞伎町「樽一」にて「田酒と落語の会」
(「落語と田酒の会」にあらず)
落語は1月以来の桂扇生師匠。
西田酒造の営業の方も青森から駆けつけてきた。


「樽一」は全く知らなかったのですが、有名な店なんですね。
浦霞」と鯨料理を2本柱に、50年の歴史がある。
今は2代目が切り盛りする。
常連の方に聞くと作家や財界人が多く訪れ、移転する前の小さな店の頃は
平日17時から19時は予約を取るのも難しかったという。
あくまで日本酒を飲ませる店で、
入ると最初に霊芝を飲ませ、ビールは決して出さなかったと。


襖で仕切って個室になるところを取り外して柱だけの広間として
そこに高座を設える。
前の店の襖に描かれていたという捕鯨の絵が背後の壁に飾られていた。
扇生師匠は駕籠かきの説明をした後で「抜けスズメ」など二席。


その後宴会へ。西田酒造からは6種類。
「田酒 山廃仕込 純米大吟醸」(山田錦
「田酒 純米大吟醸 山田穂」(山田穂)
「田酒 純米大吟醸 短稈渡船」(短稈渡船)
大吟醸 善知鳥 百四拾」(華想い)
「田酒 純米吟醸 古城乃錦」(古城乃錦)
「田酒  山廃仕込 純米吟醸」(華吹雪)


日本酒で最高の米は誰がなんと言おうと山田錦であって、
品評会は山田錦とそれ以外に分かれる。
その山田錦はお父さんを短稈渡船、お母さんを山田穂として掛け合わせて生まれたのだという。
その両方を飲むことができた。
正直、「山田穂」と「短稈渡船」は初めて見ました。知らなかったです。
今調べてみると2本セットで1万円。


料理は鯨刺身と青森産鮮魚の盛り合わせ、蕪と干し海老味噌掛け、ホタテの燻製、
和風生春巻き、いか・アスパラ・セロリの肝醤油炒め、(名物の)ごぼう唐揚げ、冷や汁ご飯。
どれもおいしかったですね。
今度また来てみよう。
というか歌舞伎町にこんないい店があったとは。
チェーン店といかがわしい店だけではないんですね。


テーブルを回ってきた扇生師匠からはふたりはまだ新婚のようだと。
浴衣を着てきた妻がおじさんたちにとても好評だった。
隣の席に居合わせた方と話し込む。
建築関係の仕事ということで町の景観はどうあるべきか、といった話。
家を建てるなら高くてもこういう人にお願いしたいと思い、名刺を頂いた。


営業の方は青森ではなくて、茨城出身だった。
縁あって西田酒造へ。
僕は近くに住んでいても中に入れなかったと話す。
子どもは近寄ってはいけないと言われて、幼心に怖く感じていた。
今も酒蔵見学とか販売とかしてないんですよね。
営業の方曰く、小さな酒蔵ゆえに品質管理を徹底しているからとのこと。
自分も含めて従業員が酒蔵に入るときには雑菌を持ち込まないように
歯磨きすることが義務付けられていると。


その西田酒造の酒造りを有名な写真家が撮影して写真集にしたものがあって、
途中で開催された扇生師匠とのジャンケン大会の賞品として5冊用意されていた。
残念ながら勝ち残れず。
あとで聞くと、一般には流通していないけど取引店にはまだ在庫があると。
ここにならあるんじゃないかという酒屋を教えてもらった。
問い合わせてみると、まだありますと。
今週末行ってみようかと思う。