なつかしい店

昨晩、ご飯を食べながら『酒場放浪記』を見ていたら4本目が茅場町
永代通りなつかしいなー、と思いながら見る。
洋食の『津々井』のハンバーグ丼。
お金があると『鳥ふじ』の親子丼。
『新川デリー』がオープンしたばかりだった。
入社2年目から4年目ぐらいの頃だろうか。


もうひとつ懐かしい店を思い出した。
「うすけぼー」という居酒屋? バーかな。
どっちかというとパブレストランという感じ。
八丁堀で集合研修を受けていた頃に週に何度か入った。
地下の階段を下って行って、薄暗い店の中へ。
日替わりしかなくて、座るとすぐ出てくる。
生姜焼きとかそういうの。かき込んでサッと出ていく。
周りは20代から60代までスーツ姿のサラリーマンばかり。
ああ、社会人になるってこういうことか、と思った。
絶品ではないけど、毎日食べても飽きない店。
そこに入って出されたものを食べる。
他のテーブルに同期がいて、僕はいつも一人だった。


配属後、日本橋にもあって何度か食べに行った。
その後都内あちこちにあると知った。
今調べてみたら、日本橋の店も八丁堀の店も閉店済みだった。
日比谷や青山では今もやっているようだ。


そういえば行くのは昼の日替わりだけで
夜に酒を飲みに行ったことはなかったな。
特にまた行きたいとは思わないけど、よく覚えている。そんな店。
今の職場から近かったら行くと思う。


その後オフィスを何度も移転し、客先常駐も長くなった。
いろんな店に入った。1,000軒は超えていると思う。
居酒屋とかバーのランチで、昼はこれしかないという決め打ちの店は
早いし、うまいし、仕入れの関係で安い、ということを知った。
要はそういう店を手持ちでいくつか知っていればいいのだ。
そこから選べばいい。
そういう店が繁盛するというのもよくわかる。
世の中の仕組みのひとつだ。


茅場町・新川にはもうひとつ、なぜか思い出す店がある。
スパゲティの店。スタンド形式の。
塩かトマトかソースを選んで、あとはトッピングのバリエーション。
とりたててうまいわけではないけど、悪くはない。
だから上司や先輩となんとなく食べに行くときに重宝する。
店員の若い女性の左手の指が不自由だった。
ある時行ったら然閉店していて驚いた。
客は普通に入っていたのに。
世の中にはいろんな事情があるんだろうな。
そういうことの多くを、この社会人4年目までの間に出会った。