昨日がシステム切替。
開発体制としては一時期130人近くが一度に稼働していて、
利用部門など関係者を含めると相当な人数となるという大がかりなシステム。
ここまでのは久しぶりかな。
リリース後のてんやわんやが続く中で、新入社員のころを思い出した。
18年前の2000年。
今なら時効だと思うが、こんなことがあった。
先輩に連れられてデータセンターへ。
インフラ作業の立ち合いだったか、リリース作業のヘルプだったか。
あの頃はまだインターネットがビジネスになり始めたばかりで、
セキュリティの観点では信じられないぐらい緩かった。
入り口で名簿に名前を書いて入館証を見せたらすぐ入れた。
サーバ室はだだっぴろいだけの空調の利いた部屋で、
そこに棚が並んでいるだけだった。
鍵のかかるラックではなく、言葉通りの棚。
そこにサーバ機が接続されて並んでいた。むき出しのままで。
この棚のここまでがこのお客さんの、ここからは別のお客さんの、というような。
その気になればだれでも触わることができた。
棚に置いているだけだから、なんかの拍子に床に移すこともある。
キツキツになったので下の棚に移したい、そのために一時的に、など。
線をつないだままそーっと移し替えたりする。
あるとき、不注意で足元のサーバ機にぶつかってしまった。
「先輩、これなんですか?」
「ああ、ファイアウォール。気を付けて」
その10分後、顧客から電話があってWEBサイトが見えなくなっていると…
青くなって、そ知らぬふりをした。
電話を受けた先輩は(というかその頃は普通にセンターの中で自分の携帯で通信できた)
「あれー? なんでだろうなあ」と言いながら復旧作業を行った。
いや、ほんとすいません。
その後すぐにデータセンターは進化して、数年のうちに
鍵のかかるラックがのっぺらぼうに並ぶ無機的な空間へと変わった。
自分の担当しているシステムのところに行って鍵を開けて作業して帰るだけ。
無味乾燥なものとなって、次第に僕も関わることはなくなった。
あの頃は執務室も誰でも入れて、
建物に入ってエレベーターに乗って、ドアは開けっ放し。
今のように社員証をピッとかざすということはなかった。
それでも何にも問題は起きなかったな。
そういう牧歌的な時代だった。
今ならあり得ない。どちらが良いのかも一概に言えない。
あの頃の方がよい仕事ができそうに思えるのは、単なるノスタルジアか。