『Yellow Magic Orchestra』

iPhone の買い替えで容量が倍になるということで
先週末からいろんな CD を iTunes に取り込んでいる。
David Bowie / Grateful Dead / Public image LTD. などの主だったところを。
大好きなのに、256G だとこれまで2〜3枚ぐらいしか入れることができなかった。
10枚以上入れていたのは Led Zeppelin / Joni Mitchell / Neil Young といった辺りか。


そんな中で、ふと、そうだ、YMO 入れてなかったんだなと気づく。
自分でも驚いたことにオリジナル・アルバムは先月入れた『Public Pressure』だけだった。
他は同じ時に入れた『Live at Kinokuniya Hall 1978』『Live at Greek Theater 1979』など。
ずっと『キョーレツナリズム』だけが入ってて、これさえあればよかった。
海外向けのベストアルバム。あんまり評判よくない。
「中国女」とか「東風」「Day Tripper」などの代表曲がごっそり入っていない。
でも「Lotus Love」に始まって「Chaos Panic」「Pure Jam」など
独特な陰影を持った薄暗い曲ばかりで案外居心地がいい。


昨日『After Service』『Complete Service』まで10枚近く一気に取り込んで、
今日の朝、通勤電車の中で1枚目『Yellow Magic Orchestra』とその US盤を続けて聞いた。
US盤は当時YMOのライブを見た A&M の伝説的なプロデューサーであるトミー・リピューマの意向で、
海外向けにミックスし直したら出してもいいということで生まれたもの。
10曲目の「Acrobat」がカットされている。
2曲目「Firecracker」のエンディングで派手に鳴っていた爆竹は
US盤ではドカーンと爆弾が爆発するだけ。
(……原爆をイメージ? いや爆竹がわからないからか)
「中国女」も入り方が微妙に違うかな。
細部にあれこれと差異があって、全般的な印象としては US盤の方がメリハリあって聞きやすいのかな。


逆に言うとオリジナル盤の方がどんだけ異質な音か、という話で。
改めてこの1枚目を聞き直して、
ここまでどこにもない音を作り出せたのはたいしたもんだなと。
細野晴臣『はらいそ』から地続きのエキゾチック路線とフュージョンコンピューターゲームと。
要素に分解することは可能だけど、こんな組み合わせになる音は世界初だったんじゃないか。
単純なテクノではない。
映画的で漫画的。1970年代後半の日本のサブカルチャー全般も透けて見える。
2作目『Solid State Survivor』のような密度や完成度がなくてスカスカだけど、
その分いろんな可能性に開いている。
「Computer Game "Theme form the Circus"」「Firecracker」「Simoon」「Cosmic Surfin'」という
A面の並びは完璧。


『浮気な僕ら』や『Service』は正直1回聞いたかどうかだけど、今聞くと新たな発見があるのかもしれない。
特に『浮気な僕ら』のインストゥルメンタル盤辺り、なんかありそう。
…と思って帰ってから『Service』を聞いてみたのだが、
Super Eccientric Theater のショートコントが辛くて、長くて…
スネークマンショーは今でも聞けるのに。
S.E.T. のところは飛ばしてしまった。
『Service』については評価できず。