今年の5枚

早いもので2018年もあと5日。
今年もたくさんCDを買った。
新譜よりも旧譜や再発ばかりなのはここ数年変わらず。
今年の新譜から5枚選んでみる。
年末になって慌てて買ったものばかりですけど。

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Josephine Foster『Faithful Fairy Harmony』
アメリカ、フリー・フォーク界奥底の洞窟を流れる地下水脈。
今にも崩れ落ちそうな不安定さは得体のしれない恐怖を呼び起こすと同時に
この世ならぬ美しさも湛えるのだということ。
より深い闇へ、更なる極北へ、豊穣なる音楽の原風景へ。
全76分なんだけど、この作品は四部作の第一章とのことで。壮大すぎる。

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VIDEOTAPE MUSIC 『ON THE AIR
かつてこの世界で再生された音楽を再構成するというコンセプトかな、このユニットは。
今年一番心地よい音でした。
存在しない架空の都市のサウンドトラックなんだけど、
それは僕らの住んでる町のすぐ隣にある、というような。
ゆらゆら帝国坂本慎太郎がジャケットを描いてます。

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空中泥棒 『Crumbling』
韓国宅録インディーと言えばこの人、らしい。前作は「公衆道徳」名義。
メーカーやバイヤーの売り込みに奇跡と書いてあったので買ってみたけど全然普通、
そんなのが 99% な中で唯一、『Pet Sounds』に極限まで近づいた純粋無垢な音でした。
女性ヴォーカルを迎えたりエレクトロニカっぽくなったりしてますが、
やっぱ前作のようにギターで自ら歌っているときの方が、覚醒した世界がバーンと広がるようでいい。

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星野源 『POP VIRUS』
恥ずかしながら…、「恋」は2017年、「アイデア」は2018年、
最も聞いた曲のはずなのに何度聞いても飽きない。唄心の人なんだなあと今更ながら思う。
小さい頃、背伸びして大江千里佐野元春久保田利伸を聞いたときのことを思い出した。
いろんなジャンルの人と対談したムック『音楽を語ろう』も勉強になりました。
特典DVDのスタジオライヴと「ニセ明」を2回も見てしまった。

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笹川美和 『豊穣』
15周年を記念したベストアルバム。15年かけて熟成して、まさに豊穣。
冒頭の「笑」を久々に聞いて、この人は初めから突き抜けていたんだなあと。
女性が愛を求めるというときの生々しさとファンタジーとを
一曲の中で歌いきることのできる人はなかなかいない。
新曲「高鳴り」が更なる高みへと向かい始めていて、今後も期待大。

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限定盤を買い逃して後悔しているのが、
Daniel Schmidt and the Barkley Gamlan 「In My Arms, So Many Flowers」
最近毎日のようにあちこち探している。


一方でプレミアをものともせず入手したのが
Discogs で海外の方とやり取りした Prince 『One Nite Alone』の約3万、
Motorhead 『No Sleep 'till Hammersmith』の紙ジャケ2枚組、約8,000円。


今年一番の衝撃的な出会いは
Porcupine Tree の鬼才 Steven Wilson によるミックスの諸作。
King Crimson / Yes / Marillion / XTC など。
音の彫り、深みが全然違う。リアル。
しかし、YES の全5作を輸入盤で、DVD-AUDIO / Bru-ray 付きの2枚組で揃え終わった途端、
高音質CDでの国内盤が出るとわかり…