妻とみみたの待つ家

仕事がまた大変な時期に差し掛かる。
なかなかうまく前に進まない。
スケジュールがかなり遅れている。
昨晩は会社を出たのが21時半か。家に着いたのは23時。
玄関を開けるとみみたが階段に座って顔をちょこんと出していた。
待っていてくれたんだな。
外の門扉が開く音を聞きつけて下りてきたのだろう。
 
妻が風呂を沸かしてくれている。弁当の用意もしてくれていた。
明日も早いし、帰りも遅いとすぐ布団に入る。
このところ僕が寝ようとすると、みみたは
さあスタートと言わんばかりに何度も何度もボールを咥えてきてはポトリ。
それを投げ返してと何十分も続いたもんだけど
この日ばかりは何かを察したのか、みみたも僕の側にやってきて
顔を少しばかりペロペロして、前脚をペシペシして、
手を出すとクンクン匂いを嗅いで甘噛みする。
足の方に回って、指先をまたカプカプと甘噛み。
一通り終えるとまたモソモソと歩いてリビングに戻っていった。
みみたなりに僕を元気づけようとしてくれたのだと思う。
 
今日も5時半前に起きて7時出社。
みみたに行ってくるよと声をかけて家を出る。
午後はずっと打ち合わせ。
夕方からはミーティングスペースを占有して、エンドレス。
終わるまで帰れない。
終電か、朝までかと言っていたが、一応23時には終わった。
へろへろになったがやりきった。
帰る家があって、妻とみみたがまっていることをありがたく思う。
 
鍵を取り出そうとしてふと見上げると
みみたは2階の和室の窓から見下ろしていた。
上がっていくとさっそくやってきて足元でスリスリ。
食べものをちょうだいと。
冷蔵庫から猫用のかにかまスライスを取り出して少し猫皿に。
しゃくしゃくと食べて、疲れて眠っていた妻の側で丸くなった。