午後、妻の運転する車で墓参り。
途中、近くのライフに寄って墓に備える花とワンカップ大関、
線香に火をつけるための使い捨てライターを買った。
車に乗せておけばいつか使うこともあるだろうとビニールシートも買った。
そういうことを思うのは桜の季節だからであって、
今日明日が最後の見ごろか。見事に咲き誇っていた。
手水所の近くに置いてある引き出しから線香を取り出して、浄財箱にお賽銭を入れる。
妻は桶に組んだ水で花を受ける細長い器を満たし、花の根元を鋏で切って挿していく。
その間僕は先行にライターで火をつける。
最初のうちは全然つかない。ついてしまうと全然消えない。
東京に来てからもう25年以上経つんだな、ということを思う。
上京して大学生のうちは小平や国立に住んでいて、
父の命日の頃、祖母に電話して待ち合わせて墓参りをした。
電車を乗り継いでいく。
祖母とはお寺さんの門のところで待ち合わせて、そこで別れただろうか。
会社員になって一年目の時に祖母が亡くなった。
荻窪に住んでいた頃は青梅街道を自転車で通って、
祖母の家の様子を見てから墓参りへ。
桜の季節だったから帰りは石神井公園に寄っておでんを食べながら缶ビールを飲んだ。
祖母の家は道路になることが決まって取り壊しになった。
その後も変わらず、かつて祖母の家のあった辺りを通ってから向かうのが習慣になっていた。
一人きり、気ままなサイクリングがてらの。
結婚して二子玉川に住んでいた頃はどうしていただろう。
今は車があって、二人のスケジュールを合わせて、という。
墓参りひとつとってもいろんなことが変わってしまったな、ということを思う。
帰りはくら寿司に入ってみた。二人とも初めてだった。
全国チェーンの回転寿司は安いのと奇抜なメニューが売りで、
周りは大家族か一人きりか。
40半ばの墓参りってこんなもんだよな、と思う。
東京は既にあちこちで桜吹雪が舞っていた。