桂花ラーメン

週末から風邪っぽくて、月曜から咳が。
周りでも何人か風邪をひいていて具合が悪そうだ。
このところ寒かったり暑かったりしたからか。
妻も寒気がしてきて、風邪を引いたようだと。
しんどくなって早く帰ることにすると、妻もさすがに今日は早く出るという。
夜は何を食べようかという話になって、
「ああ…、桂花ラーメン食べたい」と(LINEで)呟くと
熊本出身の妻も食べたい、「豚骨スープで元気つけたい」気分だと。
でも金がない、と言うと、妻が奢ってくれることになった。ありがたいものです。
 
新宿三丁目末広亭近くの店の前で待ち合わせる。
ターロー麺かチャーシュー麺か迷って両方が乗ったスペシャルにした。
すぐ運ばれてくる。まずはスープを一杯すする。
ああー、疲れた体に染み渡っていく。温まる。
生キャベツをスープに浸して麺を食べる。
麺を食べ終わったころ、しんなりしてきたキャベツを食べる。
最近知ったんだけど、このキャベツって茹でたのもあるんですね。
でもこれまで店員に聞かれたことがない。
ターロー麺は生キャベツと決まっていてトッピングのキャベツのみ茹でが選べるのか、
新宿ではやってないサービスで熊本の店のみ対応しているのか。
 
おいしかったね、と言い合いながら店を出る。
新宿の飲食店は星の数ほどあるが、おいしいという店は案外少ない。
ラーメンもそう。新宿で一番は結局、桂花かなぁ。
桂花よりもおいしいラーメンはいくつかあるだろう。
しかし、「たまに帰りたくなる場所」としてのラーメン屋は他にない。
思い入れを許す、というか。
 
最初に食べたのは渋谷の店。
大学一年のとき、寮の先輩が映画サークルの先輩でもあって、
渋谷で夜撮影することがあってその前に皆で食べた。
味は濃く、ストレートな麺で茎ワカメとキャベツが生で乗っていて、塊肉のようなターロー。
全てが初めてのラーメンで、癖が強くて正直、おいしいとは全く思わなかった。
それが何年か後にまた食べてはまった。やみつきになった。
不思議なもので、最初の一口目からおいしいと思ったものは案外はまらないんですよね。
その強い個性ゆえに違和感を感じたものの方が長く惹かれ続けてゆく。
永遠にそのギャップを埋めようとするからだろう。 
 
10年ほど前に経営破綻し、同じ熊本の味千ラーメンのもと再建される。
いろいろな事情があったのだと思う。
熊本では断然味千ラーメンの方が多く、桂花は数えるぐらいしかなかった。
最近また少しずつ増えてるのかな。
リニューアルした熊本駅の新幹線の方にあるんだとか。
いつか熊本でも食べてみたいな、と前から思っている。
新宿だからこその味なのか、熊本だからこその味なのか。