行きつけの喫茶店

一昨日、青梅を訪れたときに「夏への扉」という古き良き喫茶店に入った。
そのとき、『散歩の達人』が20周年記念で出した、
各界著名人100人に聞いたおすすめの喫茶店という特集を読んだ。
江口寿史西荻窪の喫茶店を…、など。
 
自分ならどこを選ぶだろうかと考えたとき、思い浮かぶ店がないということに気づく。
本を片手に入ってコーヒーを飲みながら2時間でも3時間でも過ごせる店。
この店の雰囲気がいいよな、とか、コーヒーの挽き方がいいよな、とか思いながら。
…そもそも、そういう時間の過ごし方をしない。
お金がかかるし、自分の家に居た方がよほど静か。好きな音楽も流せる。
しかし、そんな自分は豊かな生活を送ってないな、とも思う。
 
強いて言えば神保町の「さぼうる2」だろうかと一瞬考えたが、
昼にナポリタンやカレーライスを食べるだけ。
茶店の形をした定食屋という接し方をしている。
 
時間が空いてドトールサンマルクタリーズ
30分や1時間本を読んで過ごすということはよくある。
だけど、この店に、というこだわりはない。
たまたまそこにある店に入るというだけ。
安くて人が少なければそれでいい。
…ここまで書いてきて、それでいいのか!? と自分に腹が立ってきた。
 
そういえば、昔の自分は吉祥寺であれ下北沢であれ、
服や本を買うために歩き回るときは最初から最後までぶっ通しで歩き続けて、
カフェに入って休憩するということは一切なかった。
今も一人ならそうなる。
女性と歩くときには2時間ぐらい過ごしたら
茶店に入って休むものなのだということを知ったときは
かなりのカルチャーショックだった。
なんて燃費が悪いのだろうとか、そんなにパフェやケーキが食べたいのか、
と頓珍漢なことを心の中でつぶやいていた。
なんにせよ時間がもったいない! と。
 
今にして思うと、そういうことじゃないんですよね。
例えば、他人のペースに合わせることが自然とできるかどうか。
それができないなら絶対もてない、ということを後に知る。
異性に限らず、同性であっても。
そんな人は信頼されない。
 
とは言っても僕もケーキやパフェを食べるようになったかというとそんなことはなく。
そうか、ビールを飲めばいいんだ! と気づいたときはけっこうな衝撃だった。
そんなわけで、おすすめの喫茶店を聞かれることがあったら
僕ならば、新宿かどこかの PRONTO だな…