以前、ささやかながら音楽イベントを開いていたころ、
架空のサウンドトラックをテーマにしたら面白いんじゃないかとCDを集めてみた。
でもうまくまとまらなかった。
こういった辺り。
架空の映画の架空のサウンドトラック。
10cc 『Original Soundtrack』
Adrien Young『Something About April』
Barry Adamson 『Moss Side Story』
Brian Jonestown Massacre 『musique de film imagine』
Jeff Mills『Woman in the Moon』
これら、元々名盤として評価の高い 10CC と Chrome 以外はさほど面白いものではなかった。
思わせぶりで謎めいた雰囲気が漂ってはいるけど、それだけというか。
音の共通点もなく、並べたところで幕の内弁当にしかならない。
一切の情報を伏せてプレイリストを聞かせても脈絡なくて、混乱するだけ。
僕の方で架空の映画を想定してそのイメージに合う曲を集めたほうがよほど、しっくりくるだろう。
その違いはストーリーをつくれるかどうか、というところか。
ちなみに、調べてみると他にもあった。未聴だが挙げてみると、
Jazztronik 『Cinematic』
BEAMS も2012年、架空の短編映画6本のサントラをつくって配布したとある。
音楽は高木正勝。ブランドのイメージ戦略としてなされたもののようだ。
一方で、実在の映画に対する後付けの、
架空のサウンドトラック、オマージュというジャンルもある。
Art Zoyd「Nosferatu」
Petshop Boys「戦艦ポチョムキン」
Primal Scream 「Vanishing Point」
Tuxedomoon & Cult with No Name「Blue Velvet Revisited」
こちらの方はどれも面白い。
実際の映画を思い浮かべながら聞くので、比較しやすいのだろう。
映画そのものも架空だと結局雲をつかむような話で終わってしまう。
実在の映画とだとある種のコラボレーションとなって、互いの魅力を引き出しやすい。
でも、架空の映画の架空のサントラに挑む気持ちもよくわかる。
相当に想像力、世界観の構築力が求められる。究極の創造と言っていい。
これをさらにひねって、実在の映画の実在のサントラなんだけど、
演奏するバンドは架空で、実在のバンドがそれを演じるというのがあった。
Soulwax 好きだったのに見逃してた。これはちょっと気になる。