『世界まるごとHOWマッチ』と『世界ふしぎ発見!』

先日妻と話していたら何かのきっかけで『世界まるごとHOWマッチ』って面白かったなと。
調べてみたら1983年から1990年まで放送されていた。
最初は深夜番組だったが、1984年にゴールデンタイムへ。
小学生から中学生にかけての頃だったので、移ってからは毎週欠かさず見ていた。
ニューヨーク、ロンドン、パリから、アフリカや南米の辺境の村までカメラが行って、
珍しいものを見つけてはそれが現地の通貨でいくらなのかをスタジオの回答者が当てる。
この番組のおかげで僕らより上の世代の人たちは「リラ」や「ペソ」がどれぐらいなのか、
行ったことがなくてもなんとなく覚えている。
 
大橋巨泉が司会、石坂浩二ビートたけしが回答者、
日本語ペラペラの外国人タレント。この頃はかなり珍しかったな。
青森ということもあって、町で外国人を見かけることもなかった。
女性タレント枠もあったか。この布陣がよかった。
 
何事もノスタルジアで美化されてしまうのはよくないかもしれないが、
あの頃のクイズ番組は面白かった。
大橋巨泉だともちろん『クイズ・ダービー』も。
やはりこちらも篠沢秀夫教授、はらたいた、竹下景子という布陣がよかった。
司会とレギュラー回答者の組み合わせの妙で見せる番組というのはもはや難しいのか。
3年、5年と続いていく前提でじっくりと関係性をつくっていく番組というか。
 
90年代に入ってバブル崩壊とともにテレビは変わっていく。
大御所になってやりたいことをやってみた(と僕は捉えている)、
大橋巨泉だと『ギミア・ぶれいく』がなんとも取り留めなく、
多くの人にとっては「笑ゥせぇるすまん」の印象しかなかったのではないか。
 
わかりやすい(?)例だと、『世界ふしぎ発見!
始まりは1986年で今も続いている。
最初の6・7年は毎週必ず見ていた。
ミステリーハンターがエジプトのピラミッドを初めとする
世界各地の不思議なもの、珍しいものをクイズとして紹介する。
司会の草野仁、回答者の黒柳徹子野々村真という組み合わせもよかった。
 
上京してテレビを見なくなって、十数年ぶりに見たときの居心地の悪さたるや…
これって何の番組だったっけ? と戸惑ってばかりだった。
この3人は変わらず、ミステリーハンターも登場する、なのに全く別の番組になっている。
クイズというよりもバラエティ。いや、もともとバラエティだったが。
なるほど、これが時代の流れというものか、これが今のテレビなのか、
とむしろ感心してしまったことを覚えている。
いきなりガラッと変わったのではないだろう。
柔軟に細かい軌道修正を重ねていくうちにこういう形態へと進化を遂げた。
テレビ番組にもガラパゴス化はあるんだな…
視聴率があると、看板を変えずに番組を変えていく。
 
長寿番組は変わらないことがいいのか、変わることがいいのか。
なかなか難しい問題だ。
世界まるごとHOWマッチ』も人気があったにもかかわらず、
1990年の大橋巨泉セミリタイアにより終了。
今思うとこれは英断だった。