なんでも鑑定団

ここ数年、毎週ほぼ欠かさず見ている番組のひとつに
テレビ東京の「開運! なんでも鑑定団」がある。
ゲストの芸能人や一般の人がスタジオに持ち込んだ
絵画や屏風、壺に皿といった骨とう品を各分野の専門の鑑定士が鑑定する。
 
思いがけない値段がついて本人の予想額の2倍3倍となることもあるけど、
だいたいのところはたいした価値のないもので
100万で買ったものが5,000円の値打ちしかなかったということがざらにある。
数十万、数百万の借金のカタに置いてってその後借主は連絡が取れなくなって、
というのは十中八九偽物で終わる。
 
骨とう品の収集にのめり込んで何十年と集め続け家中足の踏み場もなくて、
われこそは目利きと大枚はたいて買ったものもその多くはガラクタ。
その一方でフリマでたまたま安く買ったんだけどこれなんだろう?
みたいなものが絵画史上の新発見となることもたまにある。
 
テレビの視聴者やスタジオの観覧者が投票で価格を決めるのではなく、
鑑定士が手に取ってそれを眺め、価値を決めるというのがいいのだと思う。
鑑定するほう、されるほうが対峙する。
ごまかしがないようでいて、それもまた絶対的なものではない。
鑑定士によって金額や真贋は変わるかもしれないし、
数年後や数年前では評価ががらりと違うということもあるかもしれない。
なんだかとても危ういバランスで成り立っている。
 
人間は欲深く、それゆえに滑稽な生き物だということ。
モノの価値、価格ば実態がなく、カリソメのものでしかないということ。
そんな人生の真理をコミカルに扱う。
とてもよくできたフォーマットだなあといつも感心させられている。
今田耕司の軽妙で皮肉の利いた司会というのもいいのだろう)
海外、ヨーロッパなんかに輸出したらいいのではないか。
ミリオネアが日本に輸入されたときのように。