四次元というもの

小さい頃、月刊ムーに代表される超常現象が大好きで、
図書館でその手の子供向け全集をよく借りて読んでいた。
超能力とか、幽霊とか、UFOとか。
その中に「四次元」というのがあった。
今もそういうカテゴライズあるのだろうか。
 
目の前にいた人がふとした瞬間消えてしまう。
アメリカの農場で父親が家族の前で消え失せた事件であるとか。
神隠しのように数日、数年後帰ってくるということはない。
それが四次元に消えたということになっていた。
そういう事例がたくさん報告されてきた。
ピーター・ウィアー監督の『ピクニックatハンギングロック』もそうか。
寄宿学校の女子生徒が山の頂上で失踪する。
あれも現実の出来事を映画化したとされる。
 
三次元が縦横高さにより表される空間を表すとしたら
四次元はそこに時間軸を足したものとされる。
それが実際にどういう時空間となるのか、誰も見たことはない。
実際に存在するのだろうか?
(じゃあ、それで言ったら二次元の平面、一次元の直線に生きる生物や
 構成される社会があるのだろうかというと、それもなんか想像つかない)
 
今思うと奇怪な失踪事件と数学的な四次元とを結びつける必然性がない。
目の前から忽然と消えるという現象は
この世界に開いた裂け目から別の世界へと入り込んだのだと考えられてきた。
それを四次元という(それこそ)全然別次元の物事とつなげたというのは
ひとつの発明なんじゃないかとすら思う。
日本人の誰かなのだろうか。
いや、海外の著作にもあったはずなのでアメリカ人のその手の作者に寄るものか。
 
それをどう呼ぶかはいざ知らず。
消えてしまった人たちはどこに行ったのだろう。
なんらか説明のつく事象により生物学的、社会学的に消去された人もいれば
全く説明できない未知の事象により連れ去られたという人もいるんじゃないか。
未知の世界で永遠に生き続けている、というのならば怖い。