ありきたりな話

東京の地下に「第二東京」が広がっているというパラレルワールドを考える。
光のないトンネルを掘り広げて棄民たちが住みついて肩寄せ合って生きている、という。
その中で王となる盲目の男がいる。光を必要としない。
その王国では光に依存する割合が高いほど階級が低い、となる。
もう一人の王は強烈に光を欲する。
ネオンだとかLEDだとか人工的な光をかき集めて眩しいぐらいだ。
そのふたつの王国の争いは終わることがない。
残酷な殺し合いが続く。
純潔の血を求めて地上の東京に住む一般市民を誘拐する。
鬱屈した思いを吐き出すために真夜中地上へと這い上がって殺人を犯す。
 
主人公はどちらかの王国に生まれ、
成長と共にその広大な、迷宮のような王国を旅することになるだろう。
地上の世界を追い求めることになるだろう。
やがてふたつの王国の抗争に巻き込まれ、翻弄される。
はぐれ者たち、弱い者たちを集めて第三の王国をつくることになり、
若くしてその王となり、地下世界の統一へと向かう。
 
そこには仲間がいる。同年代の特殊な能力を持った者たち。
テレパシーを使うことができる。聴力が異常に発達しているなどは当たり前か。
水を探すことができるといった方がいいか。
年上の賢者、長老やなんでも修理可能なメカニック、酔いどれ医者なんてのも登場するか。
 
第二東京を制圧した後:
地下世界はカモフラージュした海底トンネルにより、中国やアメリカにもつながっている。
アフリカも南極も全世界が地下でつながっている。
地下世界連盟は地上世界に奇襲をかけ、地上をも支配しようと考える。
そのXデーが近づく。
主人公は果たしてどちらの側に立つか。
 
古代から月の裏に住んできた人類の末裔が登場する。
地表よりもはるか下層に住む、もはや人類の姿かたちをしていない地底人が登場する。
深海に住む海底人なども。
時間の向こうにする未来人というのも存在する。
 
地上の人類は核戦争により崩壊、という展開も考えられる。
そのとき、地球全体の危機と立ち向かうのか、地上を奪う好機と捉えるか。
地下世界連盟も分割することになるだろう。
 
マトリックス』なんかも結局はこういう話であって、
映画や漫画でいくらでもあるか。
僕は『AKIRA』の地下世界版のようなものをイメージする。
今のところまだありきたりだな。