晴れ男、雨男

僕は基本晴れ男で、ここぞというときに雨が降って困ったことはそんなにない。
小学校の運動会は雨が降ってほしかったが……
妻や妻の友人は僕が晴れ男と知ってるので、
明日一緒に出かけるというときは明日の天気お願いしますと冗談でよく言われる。
実際、天気予報を覆してピンポイントでその時間帯だけ晴れたということもある。
 
住んでいる家の外壁と屋根を塗り直すことにした。
築10数年となって壁のあちこちにひびが入っている。
水漏れして内側に入り込んだらかなり家が傷んでいくことになる。
昨年一度近くの塗装業者に依頼したらけっこう高額な見積が出てきた。
どうしようかと思っているうちにバタバタしてそれっきり。
最近になってやはり今年のうちにやろう、早い方がいいと話していると
なぜかそれを聞きつけるのか、外壁塗装の会社が何社か営業に来るようになった。
多くの場合は近所の家が塗り直すので挨拶がてら回ってるというもの。
 
仕事中で忙しくしているところにピンポーンと鳴って、出てみたらそういう会社のひとつ。
新人なのだろう、一生懸命覚えてきたセリフをつっかえつっかえ話すのを聞かされて
そんな暇ありませんと怒って家に戻ったりした。
そんな中、とある会社の方はベテランで物腰が柔らかく話に説得力があった。
試しに見積をとってみたら昨年の見積よりも安く、
どういう素材を使うのか、この家の場合どこが作業するときに大変なのか、説明が丁寧だった。
よし、じゃあここにしようと決めた。
来週末から始まるというので、僕らも今日の午前中近隣の家に挨拶に行った。
 
前置きが長くなったが、この担当の方が相当な雨男で
彼の来る時だけピンポイントで土砂降りになる。
金曜の夕方も練馬区に大雨予報が出てバケツをひっくり返したように降った一瞬、
15分の間だけ家に来て帰った後で晴れ間が見えた。
今日もそう。洗濯物を外に干し終えて、ふと iPhone を見ると練馬区の大雨予報。
慌てて取り込んで中に干そうとしていたらピンポーンと鳴って担当の方が。
もともとその時間帯に打ち合わせで来ることにはなってたんだけど。
傘を差しながら外で壁の色をどうするかなど話し終わった後で雨が止んだ。
彼が最初に来た時も梅雨の終わりの小雨が降った日だったな……
 
しかし、外壁塗装の業者で雨男だったら大変だろうなと。
多少雨が降っても工事は行うんだろうけど、
雨が原因で工期が伸びたとしても僕らの支払額が増えるわけではなく。
彼らが下請けの塗装業者に払う額やその他の経費が増えることになるだろう。
基本晴れ男じゃないとダメな業界なんじゃないか。
それで長年やってんだろうから彼はすごいな、と妻と話す。
その一方で昼を食べ終わった後にまた曇りだして、
○○さんがこの地域を回ってるんじゃないかとも……