ユーカリが丘を視察

今関わっているPJで必要となり、千葉県佐倉市ユーカリが丘を視察することに。
路線図を見ていると京成線のユーカリが丘駅からぴょこんと輪投げ状の線路が伸びている。
しかも駅の名前が「公園」「中学校」「女子大」となっていてなんだかバーチャル。
あれってなんなのだろう? どういうところなんだろう? とずっと気になっていた。
 
調べてみると都市計画の成功例としてよく取り上げられるようですね。
単独のデベロッパーが50年かけて育て上げてきた。
子育て世代にもシニア世代にも優しい街。
イオンタウンにホテル、ボーリング場、温泉施設、映画館だけではなく
特別養護老人ホーム、ケアガーデン、ケーブルテレビ局、総合子育て支援センター
トロールセンターとなんでも町にそろっている。
新都市交通のユーカリが丘線はこのデベロッパーが開設・運営しているという
全国でも珍しいケース。
近年では大きな病院も買収したとのこと。
ホリエモンチャンネルで訪れているのを見てみると「リアルシムシティ」とあった。
なるほど、そういうことか。
 
午後PJメンバーと視察ということになっていて、
その前に一人で街歩きしてみようと早めに家を出る。
夜がようやく明けた6時半。
飯田橋から総武線に乗り換える。
錦糸町、亀戸。新小岩の手前で川を渡る。
本八幡で乗り換えた。
初めて降りる駅。京成線の駅まで離れている。
 
ホームに下りたらちょうど各駅停車の成田空港行きが来たので乗る。
そこで初めて気がつく。17駅もある。せめて一本待って快速で行くべきだったか……
Yahoo! 路線図では東西線に乗って勝田台から
京成線に乗り換えて2駅というのが早いと薦められていた。
しかし運賃が900円以上かかる。
総武線で乗り換えたら300円ちょっとなので、だったらそっちにしようとしたらこんなことに。
間とって西船橋辺りで乗り換えるのが一番良かったのだろうか。
早めに出てきたことだしと気を取り直してゆっくり行く。
 
京成線といえば成田空港へのリーズナブルな足というイメージがあるけど、
このご時世ではさすがにスーツケースを抱えた人はいなかった。
ふと見かけた、京成西船のホームにあるベンチが面白かった。
横に一列ではなく、ホームに沿って一人席が互いに向かい合う形に並んでいた。
コロナ禍でつくりかえたのだろうか。
この日は快晴。
永遠に駅前の賑わいと住宅地とを繰り返す。
東京は広いな、と改めて思う。
大神宮下とか船橋競馬場とかこの人生で一度も降りることのない駅がほとんどだろうな、
ということも思う。
 
ユーカリが丘駅に着く。9時を少し過ぎた。
各停ばかり乗っていたら2時間半ぐらいかかったことになるか。
改札を出て、人通りがほとんどない。南口も、ユーカリが丘線のある北口も。
北口はホテルにショッピングセンター、さらにその奥にマンションと続くが、
どこか色あせている。チェーン店も多い。
貼られたチラシも歳末大抽選会とか、温泉施設の新しい飲み放題プランのこととか。
その辺りは普通の町と変わらない。
実際のところは昭和のニュータウンなんだな。
僕の住んでいる光が丘を何倍にも大きくしたような感じがあった。
歩いている人がチラホラと、ティッシュ配りと。
もしかしたら通勤する人たちが既にはけた後かもしれなかった。
 
ユーカリが丘線に乗ってみる。
コアラのイラストが全面に描かれている。
ショッピングセンターとマンションの側を通って向こうに住宅地。
さらにその向こうに大きな宮の杜公園。
自然が多いというのはいいなあ。
中学校駅で下りて一駅分、住宅地を歩いた。
大きな公園もひと気がないし、住宅地もひと気がない。
バス停でバスを待つ人もいない。
ほとんどの家に車があって家の前に停められていたから、
シニア世代や子育て世代の多くが家の中で時間を過ごしているのか。
とても静かで、澄んだ空気のように静かで、
大きな音を立てて迷惑をかけることがないようにしよう、
というムードが自然に醸成されているのか、だとしたら住み心地いいだろうな、と思った。
 
そのデベロッパーは年間200戸しか売りに出さず、
バブルに沸く頃も浮かれずに固く街づくりのペースを守ったのだという。
今もまだあちこちに階段を作っただけの更地がパズルのピースのように広がっていた。
ありそうでない、面白い風景。
イッキにつくってイッキに売ってあとはそれっきり、
お年寄りばかりになって住民が離れていくというニュータウンが多い中で
とても感心させられた。
(でもこれが全ての区画を売切ったらどうなるのだろうか、ということが気になった。
 出ていく人たちもいるだろうか更地になって、と繰り返していくのか)
 
貸し農園も多かった。
お年寄りが若者に野菜作りを教えているところに通りがかった。
そういう世代を超えた緩やかな連携ができているのなら、いいことだなと思った。
 
またユーカリが丘線に乗って駅前に戻る。
地産地消をコンセプトに掲げる店に入った。
ユーカリが丘のファームで採れた野菜で料理を。
また、各地の有名店のレシピを取り入れることもしている。
焼肉丼にしてみた。栃木の店のもので、創業以来継ぎ足しのタレをもらっているのだという。
これはなかなかおいしかった。
オープン2周年記念だというのでガラガラくじを引いたら2等が当たってしまった。
唐揚げ無料券だった。
しかしまた来ることはあるのだろうか……
 
大きなイオンタウンを見に行った後で
午後はPJメンバーと合流してまたユーカリが丘線に乗った。