奥多摩へ(2021年夏)

今週は妻が夏休み。ずっと家にいる。
僕としては元々の予定では毎日出社としていたものの、
周りの人が結構夏休みで打ち合わせがいくつかキャンセルになった。
だったら僕も1日休むかなと昨日、急遽休みを取った。
 
前の晩、じゃあ車に乗ってどこかに行くかとなるが、
この感染者数が増え続けている今、人ごみの多いところは避けたい。
温泉に行くかという話も出るも
個室で休憩と食事ができて貸切風呂のある日帰りプランとなると
さすがに前日ではちょうどよいのが見つからず。
あるにはあっても
夕方チェックインでチェックアウト22時でそっから車乗って帰るのもなあとか。
2人で8万円を超えるとか。
じゃらんで神奈川、千葉、埼玉、東京から
栃木、山梨、静岡まで範囲を広げてもダメだった。
 
諦めて、ゴールデンウィーク前に訪れた奥多摩湖へ。
お盆休みで混んでるかなと思いきや案外そうでもなく、
下道でも渋滞にならず2時間半ほどで順調に着いて
奥多摩湖を散策する人もちらほらとだった。
前回は休館中だった「水と緑のふれあい館」が今回は営業していて
11時半だったので上の階のレストランで昼を食べることにした。
いつもならダムカレーがあるみたいなんだけど今はお休み。
僕は普通にカツカレーを、妻は天ぷらの定食を。
ニジマスが天ぷらと唐揚げになっていた。
 
隣の売店で、アトリエ77というところの出している散策絵図のシリーズの
奥多摩多摩川を見つけて、
お、これはいいねと妻と僕がそれぞれ一冊ずつ買うことにした。
詳細に書き込まれたイラストの鳥観図。
奥多摩のは四方に広く、多摩川は巻物のように縦に長い。
昨年の秋か、国分寺の古本屋に入った時に玉川上水のを見かけて買ったことがあった。
ここでは他に柚子入りの刺身こんにゃくや妻が職人が手焼きした竹炭を買った。
専用のパッケージではなく
普通に家庭用のジップロックのような袋に入れて販売されていた。
 
下の階の3Dシアターはお休み中。
奥多摩の民俗資料館的な部屋を少し覗いてみた。
発掘された土器に始まって脱穀機や消火用のポンプなど。
獅子舞が盛んなようで獅子の立派な面がいくつも飾ってあった。
出口の辺りにかなり昔の幻灯機で使われていたスライドがケースの中に並べられていた。
よくこんなの残ってたなあ。見てみたいと思った。
 
外に出て、湖の近くへ。すぐ近くの山に雲が下りている。
前回はダムの上を歩いて反対側に渡ってみたけど、
今回は車に乗って湖のもっと奥まで行ってみることにした。
「水と緑のふれあい館」で配られていた手書きの地図を頼りにウネウネと山道を。
いくつものトンネルをくぐると鶴の湯温泉に出るが、
鄙びた温泉街を想像すると全然違ってて、
湖畔の崖に沿って古びた建物が点在するだけだった。
「水と緑のふれあい館」には
戦中・戦後の工事風景のモノクロの写真を並べたコーナーがあって
そこでは源泉はダムの底に沈んでしまったが、
後にまた掘り直したというようなことが書かれていた。
 
峰谷橋という朱色に塗られた橋を渡って小さなトンネルの先に
湖の対岸に伸びた麦山浮橋があって、それを渡ってみたいと思った。
その手前を細長く湖に突き出た小さな坂道が横切っていて
登った上に小河内神社があった。まずはそこにお参りする。
車を停め、急な坂道を行く。鳥居をくぐるとさらに急な關段。
しかしこの日は涼しく、湖からの風も心地よく、静かで虫の声もほどよかった。
僕ら以外に他に人は居なくて心身の澱みをすすぐような素晴らしいひと時を過ごせた。
この神社もやはりダムの建築により移され、ダムの守り神として大切にされているという。
 
坂道を引き返して浮橋へ。
イラストの地図には「通称ドラム缶橋」とあったので昔はドラム缶だったのかな。
今はしっかりした浮きに支えられて左右にがっしりした手すりを用意した、
3mぐらいで一区切りの橋の群れがムカデのようにゆらゆら連なっている。
足元は木が横に渡されている。
橋と橋の繋ぎ目が少し空いていて、そこにゴムのカバーで覆いをしている。
鋲を打って固定しているのはその片側だけで、強風の時に千切れないようにするためだろう。
歩いているとゆらんゆらんと揺れる。
津軽線の隣の車両に移るとき、剥き出しの連結部分を少し囲っただけだったので
かなり揺れたのを思い出した。
小さな子を連れた若い家族とすれ違う。
女の子が二人、全力で橋の上を走っていた。
揺れるものの上を走るのは楽しいもんなあ。
 
向かい側に着いて先ほどまでいた湖畔を眺める。一帯が深い森の中。
なだらかな箇所は一切なく切り立った上かその途中にポツポツと小さな建物が建っているだけ。
貼りだしたところにイスとテーブルを並べたり、洗濯物を干したりしている。
観光客相手の商売をしている人もいれば、林業で生計を立てている人もいるののだろう。
こういう山深いところでひっそりと暮らしている人もいるんだな、ということを改めて思う。
また引き返す。静かな湖に黒々とした木々が映っている。
 
14時近く。この日はこれ以上奥へは行かず。
奥多摩駅周辺に戻って前回訪れたわさび屋で生わさびを買う。
キャンプ場の駐車場が満車となっていた。
橋の上から皮を見下ろすと川原には大勢のキャンプやバーベキューを楽しむ人たち。
駅前にある市役所の横で車を停めようとするとそこもいっぱい。
キャンプ場に入りきれなかった人たちが来るんだろうな。
運よく少し待ったら入ることができた。
駅の近くの店をいくつか回った。
だし巻き卵の専門店で妻が一本買ってみる。プリンもあったので合わせて。
 
その近くの唐揚げ専門店にも入る。
ヤマメのフィッシュ&チップスを名物にしようとしているようだった。
釣り竿を持った猫が幟に絵が描かれている。
このフィッシュ&チップス、チキン南蛮、鳥皮の唐揚げを買った。
人気店のようで次から次に客が来る。
大学生のグループがマスクをしているもののはしゃぎながら入ってきて、
その後もっと若い、昔ならヤンキーだったであろう若者たちが。
マスクをずらしてノンアルコールビールを飲んでいる。
何をいきがってるのだろう。
渋谷とか、オリンピックの会場へと向かうゆりかもめとか。
若者たちが相当ウェイウェイしていると聞く。
こりゃ感染拡大が収まることはないな、と思った。
車に戻って全身に除菌のスプレーをかけた。
 
奥多摩を後にする。
その直後から土砂降り。
澤乃井に寄っていくつもりが、これは外に出るの無理だろうと諦める。
へそまんじうも通りすぎる。
青梅市街地に出て、以前入ったことのある町の駅へ。
わさびを荒く刻んだのをチューブに入れたのを買った。
房総半島や小田原の方に出かけたときにいつも買うんだけど、切らしてしまっていた。
今回買ったのは刻んだわさびを醤油で味付けしたものだという。カネクのもの。
来る途中本社工場の脇を通った。
そういえば行く途中11時の時点で外に何人か待っていて、
15時にまた通ったときでもまだ人がいてという繁盛している蕎麦屋があった。
水がいいので蕎麦がいいというのもあるんだろうけど、
ざるそばにしたらわさびもいいんだろうな。
次来るときは蕎麦かな。
 
雨もあってその後はまっすぐ帰ってくる。
18時前に家に着いた。
温泉に入れなかったのでお風呂を沸かして入る。
買ってきたヤマメのフィッシュ&チップスやだし巻き卵で缶ビールを飲む。
涼しい日に自然の中で過ごすことができて、いい夏休みとなった。