温泉にて

昨晩は会社から帰ってきた妻が近くの「極楽湯」に行きたいと言い出して、
それもいいかと支度をして出かけた。
平日の夜。駐車場が結構埋まっている。
洗い場も利用している人が多かった。
もちろん、温泉に浸かっているときにマスクをする人などいない。
神経質なふるまいをする人もいない。
会話をするときは口を押えて、という掲示があるぐらい。
 
上がってきて、食事処で妻を待つ。
さすがにアクリル板がどの席にも置いてあるが、
生ビールを飲んで一息ついたときにだいぶ日常が戻ってきたな、と感じた。
本当は奥の畳敷きのエリアで横になりたかったけど、そこまではしなかった。
極楽湯」では時短解禁フェアがそっと行われていた。
中生と枝豆で500円のセットだという。
(もうひとつ、『夏目友人帳』のフェア、
 コラボメニューやグッズの販売は大々的に行われていた)
 
70代と50代と思われる4人組の親子がひとつのテーブルで鍋を囲んでいた。
後ろの座席では中国人か韓国人の2人が飲みながら自国の言葉で話していた。
彼らも長いこと帰ることができずにいるのだろう。
テレビでは何かの特番で今年を振り返っていた。
東京オリンピックの感動をありがとう、とか。
つい数か月前のことなのにだいぶ遠い出来事のように感じられた。
このコロナ禍もいつか忘れられていくのだろう。
そういうときもあったなあと。
 
このまま落ち着いていって第6波が来なかったら
マスクをしている人も徐々に減っていって、
風邪や花粉症の季節が過ぎて夏には
マスクを手放しているんじゃないか。
メガハイボールを飲みながらそんなことを考えた。
2020年から2022年にかけては失われた3年などと言われるのだろう。
再来年にはまたこの極楽湯の食事処で
コロナ禍を振り返る番組を見ながら
レモンサワーを飲んだりしてるのかもしれない。