思い出というもの

世の中の動きとして
これからはモノよりもコトだというのをよく聞く。
モノという完成品を買うことはなくならないだろうけど、
趣味の分野などでは体験型コンテンツに消費傾向が移っているとか。
 
コト、体験。
もっと言うと思い出なんだろうなと最近思う。
体験+意味づけとしての思い出。
 
人間最期の最期、ギリギリのところで手元においておけるモノって
思い出だけなんだろうし。
走馬灯の巡る、そのパーツを一生かけて探し続けるのが
人生ってやつなのかもしれない。
 
……そんなふうに考えるのは
僕もいい年したおっさんになったからか。
ま、そうなんだろう。
 
旅行に行ったとき、自分へのお土産を買わなくなった。
iPhone で風景写真を撮ればそれでいいか、とか。
思い出さえあればいい。
 
しかしその思い出も、記憶力が衰えてきて
どんどん失われていく。
それもいいか、まあ仕方ないかと思えるようになってきた。
 
かといって今、家の中に溢れている本やCDを処分したい、
という気持ちにはならず、
まだあと何年かは買い続けるんだろうけど。