(26日、土曜日の続き。宿に着いてから)
出かける前に部屋の露天風呂に足だけ浸して、足湯に。
これまでのあれこれの疲れが癒されてホッとする。
専用でいつでも利用できる露天風呂というのもありがたい。
宿の外に出ると駐車場に猫がチョロチョロッと。
向かいの店、その脇の粟又の滝に下りていく坂道にも。
3匹、4匹、もっといる。
1匹、足を引きずっている。
山道で角を曲がったバイクや車にぶつかってしまったのだろう。
急な坂道を進んで、途中から階段となる。
下りた先に遊歩道があって、少し先に緩やかな滝が見えた。
家族連れや若者たちのグループが歩いている。
近くに住む人たちなのか犬の散歩をしている人もいた。
遊歩道は本来2kmほど続くようだけど、
数年前の台風の影響によるものか700mほどで通行止めになっているという。
さらさらと静かな川の流れ。浅い川のところどころが深くなっている。
川床に広い岩が重なっている。
川原は上流から流れてきたごつごつした大岩に苔が生えている。
道路から遊歩道に下りてくる道はもうひとつあったようで、
そちらの途中では東屋らしき建物をイチから建て直していた。
車に乗って5分ほどの提携施設の日帰り温泉へ。
房総半島はツーリングに最適なのか、バイカーが多い。
老若男女、一人二人だったり、集団だったり。
5分ほどの間にもいくつかのグループとすれ違った。
温泉は内湯と露天風呂があって、
どちらもピカピカではないものの
慎ましい、気取りのないこぎれいさ、居心地の良さがあった。
夕暮れの日差しの中、風呂を楽しむ。
お湯はさらっとしていてクセがない。
戻ってきて宿の内湯、露天風呂に入って
さらに部屋の露天風呂を。
外はすっかり暗くなって、向こうの木々が軽くライトアップされている。
上がって浴衣に着換えると風呂の脇に置かれた風通し良い椅子に座る。
缶ビールを飲みつつ椅子に座って中上健次のエッセイ集
『破壊せよ、とアイラーは言った』の続きを読む。
19時、夕食。
渡り廊下にはいくつかの種類の蛍を写した写真が額に入れて並んでいる。
東海道五十三次をモチーフにした小皿が壁の木枠に嵌められている。
55枚あった。余分な2枚はどこだったんだろう。
エレベーターで下りてフロント脇の食事処に入る。
地元のレモンのサワーを飲む。
刺身の伊勢海老がまだ動いていた。
山女魚の塩焼き、里芋の東寺蒸し、木ノ子の釜めし……
どれも手が込んでいた。前菜の皿にも色とりどりの細々したものが。
房総半島は海の幸も山の幸も豊かでついつい食べ過ぎてしまう。
食事を終えて部屋に戻る。
大浴場の露天風呂と部屋の露天風呂を何度も往復する。
中上健次の続きを読むつもりが、
テレビをつけたら ENGEIグランドスラムで思わずところどころ見てしまった。
大物芸人たちは抑え気味だったような。
なすなかにし、Hi-Hi が面白かった。
露天風呂を足湯にしながら中上健次を少し読んだり、
露天風呂に入りながら缶チューハイを飲んだり。
これまでできなかったことをしてニヤニヤする。
BSの入る宿で世田谷ベースを見ているうちにまた寝落ち。
布団に入る。
7時に起きて大浴場の露天風呂と部屋の露天風呂をまた行ったり来たり。
8時に朝食。昨晩の伊勢海老の頭が味噌汁のお椀に入っている。
朝にもかかわらず鍋がつく。
やはり何を食べてもおいしかったけど、
一番はいすみの米を釜で炊いて地元の卵でTKG(卵かけご飯)
妻がおなかいっぱいで入らないというので妻の分の卵ももらって
ご飯もお替りした。
食後もまた何度も風呂に。
妻が身支度を整えるまで何度も何度も。
貧乏性でつい、もったいないと思ってしまう。
10時半に宿を出た。