箱根再び その3

15時を過ぎて向かいの「ユネッサン」へ。
http://www.yunessun.com/


小涌園」が老舗の商店だとしたらこちらはショッピングセンター。
ざっくり感がはんぱない。
お台場の「大江戸温泉物語」や水道橋の「ラクーア」よりもさらにざっくり。
どっかサクサク、スカスカしている。
でもまあその分気軽に入れますね。


水着のエリアと普通の温泉のエリアとがあって、
僕らは「森の湯」という温泉のエリアだけを利用。
水着の方はコーヒー風呂やワイン風呂や緑茶風呂なんてのがあるらしい。
滑り台もあるみたいなんで、プールが温泉になってるようなものか。


「森の湯」は内風呂が3つに露天風呂が5つか6つかだったか。
そこに大き目のつぼ湯が4つ。
温泉そのものは透明で癖がなく、お湯に入ってるのと気分的に余り変わらない。
よく晴れた春の日曜の午後なのにそんなに客はいなくて
露天風呂もつぼ湯もどれかひとつは必ず空いていて、貸切となる。
僕なんかは心地よく入れたけど、経営的に大丈夫なのか。
内風呂は普通のとジェットと檜か。
壁一面が大きなガラスの引き戸でそれが開け放しとなっていて
とても開放感があった。見晴らしもいい。そこはなかなかよかった。


それにしても半分以上の客が外国人で
中国か韓国かそれ以外のアジア人と、白人がちらほら。
聞こえてくる言葉が日本語ってことは少なくて、
目を閉じてお湯に浸かっていると「ここはどこ?」と思う。
今、観光地はどこも外国人ばかり。
ここ1・2年で急激に増えたように思うが、
あと2・3年もしたら見慣れてしまうのだろう。


30分ほど入って体を温めた後で休憩所へ。
生ビールを飲みながら持ってきた夏目漱石の『草枕』を読んだ。
そのうちに妻も上がってきて、「ユネッサン」を出た。


路線バスに乗って箱根湯本へ。
途中から乗るので混んでいる。通路もぎっしり。
隙間になんとか入り込む。
坂道を右に曲がり左に曲がり、
いくつか停留所を過ぎたところでバスの運転手が
「この先、大平台から箱根湯本までいつもなら7・8分で通過するところが
 渋滞で1時間以上かかっていると連絡が入りました。
 お急ぎの方は次の宮ノ下で箱根登山鉄道に乗り換えることをお勧めします。
 宮ノ下のバス停から駅まではすぐですが、
 大平台のバス停と駅は少し離れているので、次の宮ノ下でお降りください。
 もうすぐ電車が到着しますので、ゆっくりお急ぎください。
 あと2分です。


バスの中に動揺が走る。
バス停に着いて、我先に出口へ。
多くの観光客(特に外国人)はフリーパスなのですぐ出られたけど
僕のように何も考えず現金で払うかと乗ってしまった人は
小銭がなくて両替しようとして焦ったり。
急いでいるのに後ろにつかえてしまう。


バスを下りるともう既にホームに車両の姿が。
しかしよく見ると下り方面の強羅行き。
間に合ったかと思っていたら上り方面が入ってくる。
なのに遮断機が下りて向こう側に渡れない。
もしかして下りが行くまで遮断機が下りていて、その間上りも行ってしまうとか?
それは洒落がきつい、と思っていたら開いて向こう側に渡れた。
待っていた人たちのために駅員が開けてくれた。
間一髪間に合って乗り込んだ。
バスからの人たちでいっぱいになる。