先週買ったCD #85:2022/05/23-2022/05/29

2022/05/25: tower.jp
The Rolling Stones 「Live At El Mocambo 1977」 \4400
The Clash 「Combat Rock + The People's Hall」 \3630
Slayer 「Live Decade of Agression」 \1650
Warpaint 「Radiate Like This」 \2421
 
2022/05/25: www.amazon.co.jp
Sara Brightman 「Diva - Single Collection」 \349
 
2022/05/26: www.hmv.co.jp
 
2022/05/28: diskunion.net
Tulip 「無限軌道」 \1500
George Winston 「Autumn 20th Anniversary Edition」 \480
 
2022/05/29: www.hmv.co.jp
HMVのポイントで
 
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The Clash 「Combat Rock + The People's Hall」
 
前にも書いたことだけど、
中学3年から高校1年にかけて The Clash にはまっていた。
中学1年から2年にかけてがブルーハーツ
中学2年から3年にかけてがビートルズ、ということで
日本のパンク → 洋楽 → 洋楽のパンク
と進んでいくのは必然だった。
 
1st アルバムの邦訳が「白い暴動」というのがグッと来た。文学的で。
結局は白人の暴動ということでしかないにしても。
1曲目の ”Janie Jones” の痩せた、乾いた、拙い音に等身大の魅力を感じた。
嘘がない、と思った。
”London's Burning” は初めて出会ったパンクのアンセムだった。
”Police & Thieves” は初めて出会ったレゲエだった。
今でもこの1枚目、1977年パンクイヤーのドキュメントである1枚目が最高だと思う。
 
大人になってからは「London Calling」(1979)のロカビリーにR&Bのごった煮も
3枚組「Sandhinista!」(1980)の玉石混交の混沌も好きになったけど、
青森市のCDレンタルで次に借りたのがこれだったということもあって
「Combat Rock」(1982)もまたかなり聞いた。
ダビングしたテープが伸びるぐらい聞いた。
ジョー・ストラマーの声もミック・ジョーンズの声もあるのに音が1枚目とは全然違う。
どこか空虚な感じは残しつつも、カラフルに猥雑になった。
昼間から真夜中までだらだらとパーティーが続いて、
時々大勢集まって盛り上がって享楽的になるというか。
The Clash の4人、ガラの悪いあんちゃんの4人が貨車の荷台かなんかに乗って、
その背後にはまっすぐな線路が続いているというジャケットもかっこよかった。
 
冒頭、”Know Your Rights” のパンク名苛立ちも縦ノリから横ノリへ。
”Rock The Casbah” と”Shoud I Stay or Should I Go”
というポップなキラーチューンもある。
”Straight To Hell” はアレックス・コックス監督の同名の映画(1987)の
絶対元ネタだと思う。ジョー・ストラマーも出演しているし。
The Clash の最後のいいときだった。
 
その次のラストアルバム「Cut The Clap」(1985)は
ギターのミック・ジョーンズもドラムのトッパー・ヒードンもいなくなって
ベースのポール・シムノンとギターのジョー・ストラマーだけになった。
曲のテンションも低い。
それゆえにこれを The Clash の作品としては認めたくない、というファンは多いようだ。
シングルになった”This is England” はいい曲だけど、それだけか。
 
今回の 「Combat Rock + The People's Hall」は発売40周年記念にして、
帯を見るとデビュー45周年、ジョー・ストラマーの没後20年に当たるのだという。
1枚目はオリジナルアルバム。
2枚目は別バージョンやアウトテイクなど。
未発表曲のマークが12曲中、2曲。
まだちゃんと確認していないが、
”First Night Back in London” と ”Long Time Jerk” は
アルバム未収録曲のコンピ「Super Black Market Clash」(1994)からだろうか。
”This Is Radio Clash (Different lyrics)”と
”Sean Flynn (Extended 'Marcus Music' Version)” と
”Idle In Kangaroo Court” は2013年のボックスセット(CD11枚、DVD1枚)
The Clash Sound System」内の「Sound System Extras」に収録された曲か。
(”First Night Back in London” と ”Long Time Jerk” も収録されている)
 
そういう意味では熱心なファンにとっては目新しい曲は少ない。
でも The Clash の未発表曲集・レア曲集はいくつかあるけど、
どれもオールタイムから詰め込んだものであって。
こういった形で時代を区切って
オリジナルアルバムと対比する形でパッケージしてくれるのはありがたい。
「London Calling」も25周年記念盤が出た時に
2枚目が「The Vanilla Tapes」というリハーサル音源で。これもよかったな。
生身の、飾り気ない The Clash を垣間見るような。
 
聞いてみると実験的な曲が多い。
”Future 2000”はラップ。
”Outside Bonds”はどこかでフィールドレコーディングしただけ?
”Radio One”はダブミックスというよりもリズムトラックか。
まあ、そういうもんだよな。
こういう舞台裏を覗かせてもらったうえで
改めて「Combat Rock」を聞き直すとそのファンキーさにやはり惚れ直す。
 
僕自身は彼らのレア曲集としては「Black Market Clash」(1980)が好き。
拡大新装版の「Super Black Market Clash」が一般的となっている今、
オリジナルの全9曲で30分ちょいというのは
多くのファンにとっては物足りないかもしれない。
ほんと脈絡ない寄せ集めだし。
でもこの武骨で素っ気ない感じがいいんですよね。彼ららしくて。
40代過ぎてから一番聞く The Clash のアルバムはこれだったりする。