先週買ったCD #98:2022/08/22-2022/08/28

2022/08/23: www.amazon.co.jp
Joyce 「Live at the Mojo Club」 \780
※商品不備に気づかず買い直し
 
2022/08/23: メルカリ
(V.A.) 「Echoes of Youth」 \800
 
2022/08/24: tower.jp
村八分 「ライブ <2022 Digitally Remastered / Limited Edition>」 \3520
村八分三田祭 1972(CD+DVD)」 \3850
Madonna 「Finally Enough Love: 50 Number Ones」 \4180
 
2022/08/24: www.amazon.co.jp
山内雄喜 「Aloha Hawaii」 \1200
 
2022/08/25: www.amazon.co.jp
Steve Marcus 「Count's Rock Band」 \1000
 
2022/08/26: www.amazon.co.jp
Don Ellis 「Soaring」 \1357
 
2022/08/26: DiskUnion 中野店
ヤン富田 「素晴らしい偶然を求めて」 \1080
Jackie O Motherfucker 「europe 2002」 \432
Kings Of Leon 「When You See Yourself」 \990
 
2022/08/27: DiskUnion 神保町店
山崎ハコ山崎ハコ ライブセット」 \8850
山崎ハコ 「ハ・コ・で・す 1975-2014」 \2550
Vintage Trouble 「The Swing House Acoustic Sessions」 \480
Justin Timberlake 「20/20 Experience - Complete Experience」 \380
Lisa Stansfield 「Real Love」 \280
 
2022/08/27: 富士レコード社
Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten 「Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten」 \350
Teresa Solgueiro & Septeto De Joao Crustal 「Voce e Eu」 \560
 
2022/08/28: tower.jp
Avicii 「Time」 (\2750)
タワレコのポイントで
 
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Madonna 「Finally Enough Love: 50 Number Ones」
 
マドンナのダンス系ヒットを集めたベストアルバム。3枚組。
”Holiday” や”Into The Groove”に始まって、
Die Another Day” や ” American Life” を挟んで
”Hung Up” や ”Bitch I'm Madonna”など50曲。
ビルボードのダンスチャートで No.1 を獲得した曲が50曲に達しての記念なのだという。
後半はほとんど、DJ系プロデューサーによるリミックス。
Pet Shop Boys やジャック・ル・コント、アヴィーチーらの名前がある。
ダンス系なので ”La Isla Bonita” や”Papa Don't Preach” ”My Playground”といった
バラードは含まれない。
なのに見おぼえるのあるヒット曲が50曲も詰まっている。恐るべし。
 
マドンナのベストアルバムは「The Immaculate Collection」(1990)や
「Celebration」(2009)などこれまで様々な種類が出ているが、
聞いてみると年代別に曲を並べただけのこのアルバムが一番しっくりくる。
ダンス向けのリミックス=マドンナの中の最も尖った部分であるわけで。
マドンナは『Queen of Pop』という称号で呼ばれるが、実際には
Queen of Dance』の方が合ってるんじゃないかと思う。
 
マドンナが”Like A Virgin”で世界を席巻したのは1984年。
僕は9歳か。
その頃はまだヴァージンなんて言葉は口にするのもはばかられる、
はしたない、そんな風潮があったように思う。
日本でも写真週刊誌とか、最初は下世話な興味が先行していたような。
マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな女性が
セクシーな衣装を着て煽情的なダンスを踊りながら歌う。
MTVが最初の黄金期を迎え、ビデオが深夜番組で流れる。
ストリッパーがNo.1ヒットを飛ばした、なんて捉え方をしたオジサンたちもいたんじゃないか。
あの頃、プリンスやマイケル・ジャクソンでさえ、色物だった。
 
80年代のマドンナはヒット曲を連発する一風変わったアイドルと言った方がいいか。
それがいつの間にか、セクシーさのモードも変わって本格的なアーティストとなっていた。
1989年の「Like A Prayer」の辺りから、おや? となって、
1990年に最初のベストアルバムを出したのが一区切り、
1992年の「Erotica」以後は孤高の地位を確立していた。
 
この頃から最先端の音を作るヒットメイカーとのコラボレーションが定番になっていった。
まだ無名の若者も躊躇なくピックアップするし、大物ともがっぷり四つに組む。
「Bedtime Stories」(1994)のネリー・フーパー、ベイビーフェイス
「Ray of Light」(1998)のウィリアム・オービット
最近だと「Madame X」(2019)のディプロ(ゲスト起用みたいなものだけど)
といったところが思い浮かぶ。
Soul II Soul だったネリー・フーパーは同じ時期に
ビョークの「Drbut」(1993)や「Post」(1995)を手掛けていたのが面白い。
どちらもアーティストとしての強い核を持ちつつも、コラボレーション型なんですよね。
マドンナと対で語れるアーティストってビョークなんじゃないかと思えてきた。
 
マドンナのコンサートは世界最高のショーのひとつと呼ばれて久しい。
アルバムを発表すると必ず、そのツアーの映像とライヴアルバムのセットを出す。
これがどれも素晴らしい。
トップダンサーを夢見る世界中の若者たちが集まるオーディションから始まって
リハーサルが形になっていく舞台裏と
豪華絢爛なセットが組まれてダンサーたちが一糸乱れぬ踊りを披露する本編と。
映像もスタイリッシュ。
 
それゆえにマドンナの来日公演は最も入手しにくいチケットのひとつでもあった。
僕もずっと、死ぬまでに一度は見てみたいと思っていた。
ようやくチャンスに恵まれたのが2016年の「Rebel Heart」のツアー。
アリーナ席5万にかろうじて残席を見つけて、妻の分と計10万。
しかしこれを逃すともう二度と機会はないかもと思い切った。
マドンナに何があったのか、まさかの2時間押し。
前座のDJもレコードストックがなくなって困るという。
 
当時の日記を見返すと……
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『Rebel Heart』というタイトルからイメージを広げたのだろう。
中世の十字軍に入ったマドンナが拷問を受けて血を流すといった内容の映像が流れた。
本編が始まってからもしばらくはそんな感じ。
十字架、燭台、祭壇というような。
これまでにもマドンナはカトリックを発想元にしてきたけど今回は魔女狩りなのだろうか。
しかしそれで2時間押し通すことはなく、少しずつ変容していく。
お色直しのたびにガラッと変わって
拷問の次はアメリカ中西部のハイウェイの旅、寂れたガソリンスタンド。
その次は闘牛士、マタドール。
さらにその次はニューヨーク、ブロードウェイのミュージカル。
 
曲は当然だけど半分は「Living for Love」「Iconic」「Bitch I'm Madonna」など
新作『Rebel Heart』から。
残り半分は「True Blue」や「Deeper and Deeper」など往年のヒット曲。
「Like A Virgin」は中近東風になり、「La Isla Bonita」はフラメンコ。
「Material Girl」に至ってはフリッツ・ラングをミュージカルにして
一大スペクタクルに仕上げたかのような。
ラストは「Music」と「Unapologetic Bitch」
時間が押していたからかあっけない幕切れの後、アンコールはすぐ「Holiday」を。
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5万という金額が妥当かどうかはわからないが、
確かにこれは世界最先端のショーだなと思わせた。
比較するのもなんだけど、
2012年に LADY GAGA を同じさいたまスーパーアリーナで見た。
スケール感が全然違ったな。
 
1958年生まれで今年64歳。
いつまで第一線で歌い踊るのか。
肉体を鍛えぬいて、という点ではミック・ジャガーという先達もいるしなあ……