先週買ったCD #95:2022/08/01-2022/08/07

2022/08/01: BOOKOFF PLUS なんば戎橋店
Lou Reed 「Magic And Loss」 \693
Madonna 「Ray Of Light」 \330
Mary Chapin Carpenter 「Party Doll」 \990
(Soundtracks) 「Salsa!」 \550
 
2022/08/02: メルカリ
Biohazard 「No Holds Barred」 \980
 
2022/08/02: www.amazon.co.jp
Urban Dance Squad 「Beograd Live」 \300
 
2022/08/03: www.hmv.co.jp
Simon & GarfunkelSimon & Garfunkel's Greatest Hits」 \550
 
2022/08/03: ヤフオク
King Kooba「Nufoundfunk」 \1480
 
2022/08/07: www.amazon.co.jp
Tokyo No.1 Soul Set 「Triple Barrel」 \1725
 
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Simon & GarfunkelSimon & Garfunkel's Greatest Hits
 
先日、新宿のブックオフ
サイモン&ガーファンクルのベストアルバムを550円で見かける。
今更聞いたことがない曲があるわけではないけど、
コレクションとしていつか安く買えるときがあったら買っておこうと思っていた。
 
家に帰ってきて聞く。
なんか違う。イメージしていたものと違う。
でも、このベストアルバムが高校時代僕が初めて聴いた
サイモン&ガーファンクルのアルバムだというはっきりした思いもある。
”I Am A Rock”から始まって”Homeward Bound”という
この曲順が体に馴染んでいる。
違和感の正体が分かる。
何曲かはライヴバージョンで入ってなかったっけ?
それがない。全曲スタジオアルバムから選ばれているようだ。
 
サイモン&ガーファンクルのベストアルバムは何種類も出ているが、
僕はそのうちの2枚を混同していた。
ブックオフで購入したのが
1981年発表、17曲入りの「The Simon & Garfunkel Collection
(邦題は「若き緑の日々」)で、
ライヴ・バージョンを含むのが
1972年発表、14曲入りの「Simon & Garfunkel's Greatest Hits
(邦題は「グレーテスト・ヒット」「グレイテスト・ヒッツ」)
恐らく、ファンが思い浮かべる
80年代までのベストアルバムと言えばこの2枚なのではないか。
 
前者の「若き緑の日々」は旧規格のまま再発されないようだ。
聞いてみたら音が小さかった。
気になって「グレイテスト・ヒッツ」を HMV の中古で取り寄せたら
(こちらも550円だった)
今もよくCDショップで見かける2003年版で、
特に表記はないもののリマスタリングされているのだろう、
音質がいいとは言えないが音は大きくなっていた。
「若き緑の日々」の選曲もいいのに残念だ。
 
でもまあ僕もどちらか1枚を選ぶなら「グレイテスト・ヒッツ」の方かな。
何年のどこの、という表記はないもののライヴ・バージョンが入っているのが嬉しい。
そのベストアルバムにしか入っていないテイクを選んでいて、
それまでのアルバムからの寄せ集めではないのが嬉しい。
曲数が少なくなるものの14曲、44分というサイズもちょうどいい。
”April Come She Will”や”A Hazy Shade Of Winter”や
”The Only Living Boy In New York”が入っていたら申し分ないが、
それはまあその曲が収録されたアルバムを聞けばよいか。
 
ジャケットだけで言えば「若き緑の日々」だな。
彼らの中では一番いい。
夕暮れ。2人が波打ち際を歩いていて、
野球帽をかぶってうつむいたポール・サイモンはギターを背中に抱えている。
側をカモメだろうか、それぞれの方向に向かって点々と歩いている。
 
「若き緑の日々」は高校時代の友人の誰かから借りたはず。
特に洋楽を聞かないという家でも
アルバムは1枚か2枚ある、ということが多かったように思う。
決してストーンズやジミヘンではない。
 
高校の頃はああ、この曲知ってる、あの曲も聞いたことがある、で満足だった。
口当たりの甘い、エヴァ―グリーンな曲の数々。
時々、CMやドラマで聞こえてきて、あ、いいな、という。
30歳を過ぎてポール・サイモンのソロを聞くようになって、
大人になったポール・サイモンの苦悩や試行錯誤や浮き沈みがわかるようになって、
彼の内省的な部分が見えるようになって、
サイモン&ガーファンクルの聞こえ方が変わった。
その中で改めて
どうしたらこんな美しい曲、複雑なのに軽やかに聞こえるメロディーが書けるのだろう
と驚かされた。
 
彼らを代表する1曲と言えば今も”The Sound Of Silence”だろう。
ポール・サイモンアメリカを離れている間に
レコード会社が勝手にバックの演奏を付けた有名なフォークロックのバージョン。
彼らの1枚目(1965年)や
ダスティン・ホフマン主演の「卒業」のサントラ(1968年)でも聞くことができるが、
ギターだけのオリジナルのバージョンもいい。
暗くて、寂しくて、消え入りそうなギターの音、2人の声。
歌詞の内容からしてもこちらの方が合っている。
ここが彼らの、特にポール・サイモンの本質なのだな。
でも、ベストアルバムにこちらが選ばれることはない。
 
こちら側のサイモン&ガーファンクルを集めた裏ベストもあってよさそうだけど。
ポップ職人としてのポール・サイモンではなく、
人間ポール・サイモンに焦点を当てたベストアルバム。