先週買ったCD #99:2022/08/29-2022/09/04

2022/08/29: KING KONG アメリカ村本店
Dub Syndicate 「Live at the T+C 1991」 \900
 
2022/08/29: Time Bomb Records
The Blue Hearts野音 Live on '94 6.18/19」 \800
James & Brian Eno 「Wah Wah」 \300
 
2022/08/31: DiskUnion 大阪店
Todd Rundgren 「With A Twist」 \580
Hardcore Superstar 「No Regrets」 \300
Elis Regina 「Elis (1973)」 \1200
(V.A.) 「A Tribute To Ramones We're A Happy Family」 \380
 
2022/08/31: www.amazon.co.jp
ヤン富田 「Music For Astro Age」 \1165
BlondieBlondie At The BBC」 \1624
 
2022/09/01: www.hmv.co.jp
Vintage Trouble 「The Bomb Shelter Sessions」 \297
Kylie Minogue 「Fever」 \495
Kylie Minogue 「Showgirl: Homecoming Live」 \495
 
2022/09/02: BOOKOFF 中板橋駅北口店
Santana 「Caravansarai」 \792
 
2022/09/02: メルカリ
Die Mannequin 「Unicorn Steak」 \500
Die Mannequin 「Fino + Bleed」 \500
 
2022/09/04: www.amazon.co.jp
Harvard 「Talkin And Loud」 \870
 
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The Blue Hearts野音 Live on '94 6.18/19」
 
4か月の大阪と東京を行ったり来たりする生活も先週で一区切り。
最後の出張となった月曜の夜、心斎橋へ。
この4か月の間、PJメンバーとの飲み会のない夜は
DiskUnion と心斎橋、戎橋、なんばのブックオフと一軒ずつ回っていた。
あと行っておきたいのは、と考えたときに思い出したのが
アメリカ村の「KING KONG」と「Time Bomb Records
10数年前、同じように頻繁に大阪出張していた時にこのふたつの店はよく通った。
しかしこのご時世で中古CD屋というものも羽振りが悪く、
どちらも移転して規模を縮小し、かつ、店内のほとんどが中古レコードとなった。
正直、どちらも今回中古CDの棚にはさほど見るものはなかった。
それでもなんかあるはずと漁っていたら出てきたのが、ブルーハーツ野音ライヴ。
帯付きで800円。「Time Bomb Records」の投げ売りコーナーにて。
 
ライヴアルバムが出ていたことは知っていたけど、
ワーナーに移籍してからの彼らには興味を失っていた。
”情熱の薔薇” は名曲だと思うが、その他の曲は全然ぴんと来なかった。
”あの娘にタッチ” も当時は何とも気の抜けた曲だなあと思った。
今聞くとそうでもなく、パンク以外の、
グループサウンズやフォークといった自分たちのルーツを探る試みだったのだなと理解できるものの。
インディーズ時代の幻の名曲とされた
”Too Much Pain” を初めてアルバムに収録と聞いたときに、自分の中で何かが終わった。
ブルーハーツも何か大事なものを切り売りするようになったと感じた。
 
僕自身高校に入って洋楽一辺倒になり、
反動で全く日本のロックやポップスを聞かなくなったというのもあるだろう。
しかし、中学生の僕にとって最も大切なものはブルーハーツだった。
”TRAIN-TRAIN”は何とも新しかった。いくつもの扉を蹴飛ばして開けた。
”キスしてほしい”や”人にやさしく”と遡って ”リンダ リンダ” にたどり着いたとき、
これだ、これしかないと打ち震えた。
これが真実なんだ、と思った。
当時の親友と青森市の文化会館で行われたコンサートも見に行った。
(”チェルノブイリ” は ”六ケ所村” に変えて歌われた)
終わった後、興奮して、バス停何個分も二人で歩いて帰った。
 
このアルバムは彼らのライヴ活動としては最後の頃を収録したものであるという。
そうか、1994年の6月だったのか。
僕は大学2年生で、上京して、
ブルーハーツのようなメンタリティーはもはや必要としていなかった。
日本の音楽を聴くにしても、その頃出始めていた渋谷系の方がありがたかった。
 
聞いてみる。
ブルーハーツの解散については宗教に関するものなど諸説あるが、
グループとしては行き詰まっていたのだろう、
自らにもはや何も期待しないというような淡々とした演奏だった。
やむにやまれぬ思いで突き進む性急さはもはやなくなっていた。
未来に期待することのない音楽とはいかに切ないものであるか。
 
前半はワーナー移籍後の曲が中心で ”夢” や ”旅人” ”夕暮れ” といったシングル曲など。
(恥ずかしながらCMでよく聞いた ”夢” はハイロウズの曲だとばかり思っていた)
演奏する側も聞く側もボチボチの感じ。
中盤に差し掛かって初期の ”少年の詩” で黄色い歓声が上がるのを聞くと
それはそれでどこか寂しいものがあった。
後半になってようやくテンションが少し上がってくる。
アンコールなのか、その手前なのか、初期の名曲たちをメドレーでやってる時がハイライトだった。
”未来は僕等の手の中”、”爆弾が落っこちる時”、”ロクデナシ”……
最後の ”リンダ リンダ” も ”TRAIN-TRAIN” もお約束だからやってます、というような。
 
完全燃焼でバンドをやめるのではなく、不完全燃焼で、というのが痛いほど伝わってくる。
出す必要があったのか。
その時の状況を残しておきたかったのか、ファンに真実を伝えたかったのか。
バンド側は望まず、レコード会社の都合だったのか。
やっぱブルーハーツはメルダックからの最初の3枚なのだなと改めて再認識した。